2023.1.20
サポウイルスとは?どんな症状が出る?予防と二次感染を防ぐ方法
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保育施設では、各種ウイルスの蔓延が度々話題にあがりその都度適切な対応や予防が求められますよね。
今回ピックアップするのは、流行が広がっている「サポウイルス」です。
どのような特徴のあるウイルスで、どのように対処すればよいのかについて解説していきましょう。
サポウイルスとは?
サポウイルスとは、ノロウイルスと同じカリシウイルス科のウイルスです。
ノロウイルスと同様に、年間を通じ腹痛や吐き気、発熱など胃腸炎のような症状をもたらします。
サポウイルスという名前は2002年、国際ウイルス命名委員会によって命名されましたが、以前は「サッポロウイルス」と呼ばれていました。
これは、はじめに札幌の孤児院で集団感染が起き、そこからウイルスが広がったためです。
近年では地域を問わず、全国的に集団感染事例の報告が増えており、格別の注意が必要とされています。
サポウイルスの特徴とは?
サポウイルスは、ノロウイルスと似た激しい胃腸炎が起こるのが特徴です。
サポウイルスの原因や感染経路についても、やはりノロウイルスと似ています。
火を通さずにカキなどの二枚貝を食べたり、サポウイルスに触れた状態で調理に当たったりすることで、感染に広がっていくようです。
また、サポウイルスの集団発生事例を確認していくと、人から人への二次感染の例も少なくないようです。
潜伏期間は大体12~48時間とされています。
体内からサポウイルスが排出されれば、症状は自然に治まります。
一般的には1~2日、長いと一週間程度ほどで症状が落ち着いていくでしょう。
サポウイルスを予防するには?
貝からの感染が多いサポウイルスは、貝を食べる前にしっかり加熱することによって予防できます。
具体的には85℃~90℃で、90秒間以上の加熱が効果的とされています。
十分な温度のお湯であっても、湯通し程度ではサポウイルスの感染力が残ってしまうので十分注意してください。
また、生で食べる野菜や果物などの生鮮食品に付着しているケースもあります。
食べるときには、必ずきちんと洗浄してください。
また、人から人への感染を防ぐためには一人一人の対応も必要不可欠です。
手洗いやうがいをこまめに行い、その際には使用するタオルの清潔さにもこだわってください。
トイレのあとや調理を始める前には特に注意し、石鹸を使って丹念に手洗いをしましょう。
また、特に怖いのが二次感染です。
保育施設では、サポウイルスに感染してしまった子どもの便やおう吐物を通じて感染が広がっていくことが少なくありません。
片付けの際には、ビニール手袋やマスクを使用し、片付けに使った用具や雑巾は使用後に塩素系漂白剤でつけ置きしてください。
なるべく多くの人が接触しないよう十分注意し、万が一接触してしまったときには洗浄と消毒を徹底してください。
片づけが終わってからも、十分に手洗いやうがいをしてください。
サポウイルス流行中に保育士が注意することとは?
保育士の場合、「便に触らないように……」と注意していても、おむつ交換のようにどうしても行わなければいけないこともあるでしょう。
そのため、おむつ交換を当番制などにして、多数の保育士が当たることがないようにするのが理想です。
また、おむつ交換担当になった保育士は、食事介助や授乳は担当しないようにしましょう。
無症状の場合でも、万が一おむつ交換によってサポウイルスに感染してしまったときには、そのまま食事介助をすると他の子どもに感染してしまう可能性があります。
役割分担をして、保育士がきっかけで感染が広がってしまうことがないようにしたいものです。
また、使用したおむつ台や乳児トイレはこまめに消毒してください。
日頃からよく注意を払って子どもたちに手洗いを指導するのも大切ですが、とはいえ子どもたちが常に言われた通りに対応してくれるとも限りません。
あわせて子どもたちが触れるドアノブや手すり、テーブルや椅子、電気スイッチなども、こまめな消毒が必要です。
子どもや保育士に具合の悪い人がいたら、できるだけ早めに対応し感染が広がることのないようにしてください。
まとめ
サポウイルスは、ノロウイルスと同様に胃腸炎の症状が出ることで、保育施設での集団感染も起こりやすいウイルスです。
日頃から予防を徹底するとともに、万が一感染者が出たときには速やかに対応し、二次感染が広がらないように心がけましょう。
特におむつ交換のように、子どもの便に触ってしまう可能性のあるシーンでは、保育士自身が媒介してしまうケースもあるため十分な注意が必要です。