2022.7.4
保育士さんの給食のお悩みどう対応する?先輩保育士直伝の解決策
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給食制度を採用している保育施設では、毎日の給食をしっかり子どもたちに食べさせることも保育士の大切な役割となります。
ところが、すべての子どもたちが与えられた給食をきちんときれいに食べてくれるわけではないですよね。
「好き嫌いが多い」「なかなか食べない」「残しちゃう」といった給食のお悩みについて、先輩保育士さんたちはどのように向き合っているのか調査してみました。
給食のお悩みとは?
給食制度のある保育施設では、子どもたちが健やかに毎日を過ごせるよう、栄養士さんが心を込めて考えたメニューが提供されます。
だからこそ、どんなメニューも残さずきれいに食べてほしい……というのが保育士や栄養士さんの願いですよね。
しかし、子どもたちは好き嫌いがあれば、食べる速さもまるでばらばら。
思ったように食べてもらえず、やきもきしてしまうこともあるでしょう。
「残さず食べさせるのも保育士の仕事」と思いながらも、なかなかうまくいかないことに悩む保育士さんも多いものです。
しかし怒られてばかりでは、子どもたちも給食の時間が楽しくなくなってしまいます。
そこで、先輩保育士さんたちにアンケートを実施し、給食のお悩みをどのように解決しているか聞いてみました。
食べ物への関心度UPを目指して、楽しい時間を演出
一つ目の解決策が、子どもたちの食べ物への関心を向上させるという方法です。
やっぱり自分が興味あること、楽しいと思えることなら、楽しく向き合いやすくなります。
そのひとつとして「野菜クッキーづくり」を行なったという保育士さんがいました。
栄養士さん考案のレシピに従って作ったクッキーは、美味しいだけでなく栄養も満点。
「保護者さんからレシピを聞かれるほど大好評でした!」とのことです。
美味しいクッキーを通じて「野菜=美味しい!」というイメージがつけば、野菜への苦手意識も克服できそうですよね。
また、クッキング計画を立てているという保育士さんもいました。
栄養士さんと食育計画を立て、年間計画の際に、栄養士さんと話してクッキング計画を立てているのだとか。
栄養士さんの視点が入ることで、楽しみながら栄養についても学べるでしょう。
さらに、遊びの中で野菜と触れ合う機会を設けたという保育士さんもいました。
野菜を使った「野菜スタンプ遊び」では、遊びの中で野菜に親しむことができます。
れんこんなど楽しい形の野菜を使って遊んだり、皮むき体験をしたりすることで、野菜を楽しむことができます。
さらに、模造紙に食材の塗り絵をするという保育士さんもいました。
塗り絵には「パワーになる」など、野菜の特徴を書いて掲示することで、野菜にまつわる知識を自然に身につけられる環境を整えているそうです。
給食を食べる姿を褒める・認める
中には、本人はとても頑張ってくれるけれど、どうしても給食を食べることができないという子もいるでしょう。
そうした子への対応として「小さな成功を褒める」ということを徹底しているという保育士さんがいました。
子どもが苦手な食材、食べるのを嫌がるメニューをほんの少しでも食べたら、とにかく褒めるのが大事なのだそう。
「子どもと一緒に喜ぶ、たくさん褒める」ということを徹底すると、子どもの成功体験につながるようです。
さらに、苦手な食材でも食べようと挑戦する姿を認めることも大事なのだそう。
「食べたか食べていないかの結果ではなく食べようとする姿勢を見て褒めてあげます」という声がありました。
「食べてない」という結果ばかりにとらわれてしまうと、子どもは「今日もだめだった」と悲しい気持ちになってしまいます。
しかし、あくまで「姿勢」を褒めれば印象も変わりますよね。
視覚的アプローチ(環境設定)を行う
アプローチの方法として、子どもに選択肢を与えるという方法を取っているという保育士さんもいました。
例えば、子どもが食べたくないと主張する野菜が複数個あった場合です。
そのときには、「この中のどれかを食べなきゃいけないなら、どれなら食べられる?」と自分で選択させているそうです。
「そうすると食べる確率が高い」という、経験者ならではの声がありましたよ。
「食べなさい!」と一方的に言われるより、自分に選択権があれば子どもとしても納得できるのかもしれませんね。
また、食事に集中できる環境を構築するのが大事という意見もありました。
先に食べ終わった子については、なるべく早く別室に移動させているそうです。
子どもの気が散らないように、給食に集中できる環境づくりをするのも大切な心遣いと言えるでしょう。
まとめ
栄養士さんが考えてくれた美味しい給食だからこそ、せっかくならすべて美味しく楽しみたいですよね。
子どもたちも「食べたいけれどどうしても難しい」という悩みを抱えているはずだからこそ、保育士さんも積極的にその気持ちを汲み取りたいものです。
ぜひ、先輩保育士さんたちのアイディアを参考にしてみてくださいね。