2021.12.4
夜間保育士とは?仕事内容とメリット・注意点
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保育士が活躍できる環境はさまざまありますが、今回注目したいのは「日中ではなく夜の時間に活躍する保育士の仕事」です。
夜間、どうしても子どもを見ていられない保護者にとって、非常に需要のある仕事と言えるでしょう。
これまで日中の保育業務しか経験したことのない保育士にとって、新たな働き方のポイントとなる夜間保育について解説していきましょう。
夜間保育とは?
夜間保育とは、その名の通りに日中ではなく夜に子どもを預かる保育サービスのことです。
保護者が夜勤や夜遅くまで働かなければならず、そのあいだの子どもの対応ができない……というように、事情によって子どもを預けなければならないご家庭に利用されています。
どんな家庭のどのような事情でも利用できるのではなく、やむを得ない事情がある場合にのみ預かることになります。
そして夜間保育を行う時間帯は、施設ごとに異なります。
夕方から夜10時ごろまでという施設、24時間保育をしている施設、延長保育をしている施設など、それぞれ違います。
ここでいう延長保育とは、通常通り朝から午後までの時間子どもを預かっている保育所が、そのまま夜まで保育を行うことを言います。
24時間など長い時間保育を実施している保育施設は、いわゆる認可外保育所に分類されます。
夜間保育の基準とは?
「夜間の保育といっても、子どもたちは眠っている時間なのだからあまり職員数は必要ないのでは?」と思ってしまうこともあるのではないでしょうか。
しかし実際は、夜間に子どもたちの体調が急変したり、不審者があらわれたりといったリスクも十分にあります。
そのため夜間保育では、限られた人数でも迅速かつ的確な行動を求められることを覚えておきましょう。
施設についても、夜間保育を行うためには、定められている「設置認可基準」を満たしていなければいけません。
まず、夜間保育所は定員が明確に定められており、20人以上とされています。
さらに職員の数も決められており、預かる子どもの年次ごとに異なります。
0歳児であれば「3人につき1人」、1~2歳児であれば「6人につき1人」、3歳児であれば「20人につき1人」、4歳児以上であれば「30人につき1人」。
このような基準に即していないと、夜間保育所を運営することはできません。
さらに夜間保育ならではの設備や備品が揃っていることも条件であり、例えば寝具類や、入浴設備が必要になる点は夜間保育所ならではと言えます。
夜間保育における保育士の仕事内容
夜間保育の現場で働く保育士は、「夜間保育士」と呼ばれています。
夜間保育士の仕事には、日中の保育業務にあたる保育士と同じものもあれば、違うものもあり、施設によっても異なるためよく確認しておきましょう。
たとえば登園してきた子どもの対応や、お迎えにきた保護者の対応、トイレ・おむつ対応、事務処理などは夜間保育士も変わらず必要な業務です。
さらに、日中の保育業務では昼食の対応をすることになりますが、夜間保育士は夕食の対応を行います。
施設や事情によっては、ご家庭で食事を済ませたあと預かることもあります。
夜間保育士ならではの対応には、例えば入浴やシャワーのサポート、寝かしつけ業務などが挙げられます。
入浴や睡眠は「家庭で行うこと」とイメージしている子どもも多いため、はじめのうちは不安を訴える子もいるでしょう。
そうした子どもに対し、できるかぎり安心感を与えることが大切な仕事と言えそうです。
夜間保育士のメリットとデメリット
夜間保育士として働くことのメリットに、給与が高いことが挙げられます。
保育士に限らず夜間に働く職種は、深夜割増が適用されるため、日勤で働いているときよりも給与が高くなるのです。
さらに施設によっては、プラスして夜勤手当を受け取ることができることもあります。
結果、効率的に稼ぐことができるでしょう。
保育士の稼ぎにプラスして稼ぎたいのであれば、日中にWワークができるのも夜間保育士ならではの魅力です。
日中にほかの仕事や、保育士の日中の仕事を行いそのまま夜間には夜間保育士として働く……という形なら、稼ぎが大きく増えるでしょう。
とはいえ身体が資本の仕事ですから、無理な働き方によって身体をこわしてしまうことがないように気をつけてください。
さらに、夜間保育士として働いた経験は、保育士のスキルアップにもつながります。
通常の保育では行わないような業務も実施される夜間保育は、日中の保育とは違った驚きや発見があるかもしれません。
楽しく元気に遊ぶだけでなく、子どもがスムーズな睡眠に移行できるよう静かな遊びを提案したり、不安を覚えている子どものお世話をしたりする必要もあります。
家庭の事情が複雑な子もいますから、それらを十分に考慮しながら広い視野で保育できるようになるでしょう。
一方で、どうしても不規則になりやすいのは気をつけたいポイントです。
夜型の生活習慣に慣れていない人や、日中はほかの仕事をしている人は特に注意しましょう。
まとめ
夜間保育士は、日中の保育業務とは違った業務も求められます。
家庭の事情や子どもの精神的な不安など、配慮しなければならない点も多く、夜間保育士は丁寧なケアが求められるでしょう。
一方で、夜間業務は日中よりも効率的に稼げるというメリットもありますので、検討してみるのもいいかもしれません。