2024.11.25
地域限定保育士試験とは?一般的な保育士試験とどう違う?受験することのメリットとは
4View
「保育士として活躍してみたい」という気持ちがあるけれど、ハードルが高いように感じている……。
そんな人は「地域限定保育士試験」を受験してみませんか?
保育士になるチャンスが広がる、地域限定保育士の仕組みや魅力など、ご紹介していきます。
地域限定保育士とは?
今、どんな自治体も保育の現場では人材不足が嘆かれています。
こうした現状を打破するため、平成27年より「地域限定保育士」は創設されました。
これは「国家戦略特別区域法及び構造改革特別区域法の一部を改正する法律」が成立したことが背景にあります。
地域限定保育士とは、学校教諭のように各地域の試験を受け、合格した場合にその地域でだけ働けるようになる保育士です。
ほかの地域では保育士として働くことができないという決まりはありますが、そうした制限があるのは最初の3年間のみです。
3年経過したら、そのあとは全国で働ける保育士となります。
試験を受けた後、4年目以降には全国を視野に入れて保育士として本格的に働きたいと言う人にとっても、魅力的な試験と言えるでしょう。
ちなみに受験の際「自分が住んでいる地域の試験しか受けられない」というわけではありません。
例えば「神奈川で働きながら、将来を見越して地元の香川の試験を受験してみる」というようなことも可能です。
広い視野で将来について考えたいとき、受験を検討してみるのもいいでしょう。
地域限定保育士の魅力
地域限定保育士を目指すメリットとして、まずは「チャレンジできるチャンスが多い」という点が挙げられます。
保育士に限らずあらゆる試験ではたとえ挑戦しても、不合格だった場合には来年以降の機会まで待たなければいけません。
しかし地域限定保育士試験は、最大で年に3回のチャンスがあります。
もし、一度目のチャンスで不合格だったとしてもその年のうちにあと2回のチャンスがあるということですから、単純に「何度でもチャレンジできる」という環境です。
諦めずにどんどん挑戦したくなるかもしれませんね。
また、試験では実技講習を受講することで実技試験をパスできます。
例えばピアノの試験など、保育士として資格取得を目指すとき必須となる実技も必要ありません。
規定の講習を修了すれば自動的に「実技試験合格」となることも、試験のハードルを下げる要素となるでしょう。
しかし「たとえ試験のハードルが低くなっても、その地域で保育士として働けるかわからない」「そもそも、自分を採用してくれる保育施設があるか不安」ということもあるのではないでしょうか。
地域限定保育士試験の魅力には「試験に合格した後、その地域で保育士として働かなくてもOK」という点も挙げられます。
つまり、試験に合格したからといって必ずしも保育士として働かなければいけないわけではないのです。
さらに一度も勤務した経験がなかったとしても、登録後4年以上経っているのであれば保育士として地域を限定せず全国で働けるようになります。
時間がかかっても確実に保育士になりたい人や、保育士になるチャンスを逃したくない人にとって大きなメリットとなるでしょう。
地域限定保育士試験の受験資格や難易度とは?
地域限定保育士試験の受験資格は、いわゆる一般的な保育士試験の受験資格と変わりません。
◆一般の大学、短期大学、専門学校を卒業している
◆高等学校もしくは中等学校を卒業していてかつ、児童福祉施設で2年以上、2,880時間以上の勤務経験がある
◆義務教育を修了していてかつ、児童福祉施設で5年以上、7,200時間以上の勤務経験がある
上記のような条件に該当していれば、地域限定保育士試験を受けることができます。
ちなみに試験内容や難易度についても基本的には通常の保育士試験と変わりません。
自治体によっては実技試験を行わず「実技講習会」といった形で実施して試験をパスした状態とみなすこともありますが、筆記に関しては次の科目をすべて実施します。
◆ 保育原理
◆教育原理及び社会的養護
◆子ども家庭福祉
◆社会福祉
◆保育の心理学
◆子どもの保健
◆子どもの食と栄養
◆保育実践理論
さらに、実技試験科目として「音楽に関する技術」「造形に関する技術」「言語に関する技術」の3科目があります。
保育士試験の合格率は大体2割程度とされていますので、地域限定保育士試験の難易度についても同様と考えられるでしょう。
地域限定保育士試験で免除になる内容とは?
地域限定保育士試験を受験する前に、一般的な保育士試験を受験している場合には、一部科目が免除となる場合があります。
保育士試験ですでに合格している科目は、地域限定保育士試験で免除となるのです。
同様に地域限定保育士試験で合格した科目についても、合格後3年間保育士試験で免除されます。
また「幼稚園教諭免許所有者」であれば、実技試験がすべて免除となります。
つまり筆記試験科目にすべて合格すればそれだけで、地域限定保育士試験に合格できるのです。
もし、過去にこれらの経験があるのであれば地域限定保育士試験をスムーズに進められることでしょう。
まとめ
地域限定保育士試験とは、その地域で働く保育士のための資格試験です。
通常の保育士試験よりも受験できるチャンスが多く、これから保育士として活躍したいと考えている人にとって多くのメリットがあります。
これから働き方について考えている方は、一度チャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。