2022.7.10
保育施設での感染拡大に注意!子どもがかかりやすい夏風邪・感染症の対処法
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風邪や体調不良というと、空気が乾燥する冬場に起きやすい、広がりやすいものとイメージする人も多いのではないでしょうか。
しかし保育の現場では、夏風邪や夏場の感染症が一気に広がることもめずらしくありません。
感染拡大を防ぐためにも、保育士が覚えておきたい夏風邪の基本情報や対策方法をご紹介していきます。
夏場の風邪や感染症は怖い!
風邪や感染症というと、空気が乾燥する冬場に流行するものというイメージがあるのではないでしょうか。
実際、冬場には風邪やインフルエンザの予防・対策を徹底しているという保育施設も多いでしょう。
しかし、だからこそ注意しなければならないのが夏風邪です。
夏場は冬場に比べて対策がおざなりになりやすく、それでいて感染力の高い病気がこの時期にだけ発生することもあるため、あっという間に流行ってしまいやすいのです。
夏場はお盆や夏休みでどこかへでかけたり遊びに行ったりする機会も多いため、子どもたちがそれぞれにどこかからウイルスをもってきてしまう可能性もあります。
その状態で保育施設へ戻ってくると、ほかの子どもたちや保育士へとどんどん広がってしまいます。
施設内での感染爆発につながらないよう、十分注意しましょう。
子どもたちのようすに異変が見られたとき、すぐに対応できるようにするためには夏場に流行しやすい風邪や諸症状について正しい知識を身につけることが肝心です。
そこで、夏場の保育施設で特に特に流行しやすい、夏風邪や感染症をご紹介していきましょう。
1「ヘルパンギーナ」
まず、注意したい症状のひとつめがヘルパンギーナです。
ヘルパンギーナは、子どものあいだで流行りやすく、夏場が主な時期となることからいわゆる「夏風邪」の一種として知られています。
症状としては38~40度という発熱、のどの痛み、頭痛、けだるさなどが挙げられます。
さらに口内に発疹ができることも、ヘルパンギーナならではの特徴です。
特に1〜4歳の子どもがかかりやすいと言われており、その年代の子が集まる保育施設では十分な注意が必要です。
個人で予防するのはもちろんですが、施設でもしっかりと予防・対策をしなければいけません。
特に排泄物を取り扱う際には、そこから新たに感染が広がっていく可能性が非常に高いことから、感染対策を徹底しましょう。
例えば、おむつ交換のときなどには注意が必要です。
保育士さんは便を扱ったあと、必ず石鹸できれいに手を洗い消毒するようにしましょう。
また、洗濯物についてもきちんときれいな状態へ導くため、日光で乾かすことも徹底しましょう。
2「咽頭結膜熱(プール熱)」
咽頭結膜熱は、「プール熱」とも呼ばれる症状のことです。
アデノウイルス3型、4型、7型などの感染によって、38~39度の発熱が起きてしまいます。
さらにのどの痛みや結膜炎といった症状も発生します。
咽頭結膜熱・プール熱は7〜8月がピークとなりますので、この時期にはいっそうの注意が必要です。
「プール熱」という言葉の通り、プール遊びによって一気に感染が広がりやすい傾向にあります。
咽頭結膜熱・プール熱が疑われる子と同じプールに入ることで、ほかの子どもたちも感染してしまう可能性が高くなるため注意が必要です。
予防にあたっても、やはりプールでの対応が重要になります。
近年、新型コロナウイルスの影響もあり徹底している保育施設は多いと思いますが、少しでも体調に不安のある子には見学してもらうようにしましょう。
発疹以外の症状が出にくい子も多いため、自分から体調不良を訴えることがなかったとしても、様子をよく見ながら適切な対応をしなければいけません。
そしてプールからあがったときにも、子どもたちに必ずシャワーを浴びうがいをするよう指導します。
また、ついついやりがちなプール後にみんな同じタオルで拭くなど、タオルの共用もNG行為です。
誰か一人でも感染していた場合、タオルを通じてほかの子どもたちにまで感染が拡大してしまいます。
タオルから感染が拡大していく可能性もあるため、きちんと一人ひとつずつ別個のタオルを用意しましょう。
3「手足口病」
手足口病は、その名前の通り手足や口の粘膜に水ぼうそうのような発疹が出てしまう病気のことです。
エンテロウイルスやコクサッキーウイルスと呼ばれるウイルスが主な原因であり、原因ウイルスが複数あることから何度かくりかえし感染することもあります。
感染者のほとんどが5歳以下の子どもと言われていますが、場合によっては大人も感染する可能性があるので注意が必要です。
こちらは7月下旬がピークとなるので、時期を見ながら徹底した対策が必要になります。
効果的な予防は、やはり手洗い・うがいです。
基本的なことではありますが、だからこそ徹底した手洗いうがいが予防のための重要な行動になるのです。
子どもたちにも今一度、しっかりと石鹸で手を洗う習慣をつけるように指導しましょう。
おむつの交換をしたときには、より丁寧な手洗いが必要です。
そしてこちらも、ほかの症状と同様にタオルの共用をしないことも重要ですよ。
まとめ
夏風邪や夏場の感染症は、油断しているとあっというまに広がってしまうため十分な注意が必要です。
基本の手洗いうがいを徹底し、タオルの共有のように子どもたち同士で感染が拡大してしまいそうな行いは避けましょう。
保育士さんがしっかり気に掛けるのももちろんですが、子どもたちにも手洗いうがいなどの重要性を説明してみましょう。