2024.7.5
保育士の離職率は高い?辞めたくなるのはなぜ?辞めるときに考えたいこととは?
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「保育士の仕事は大変」「保育士の仕事を辞めたい」こんな風に感じている保育士さんもいるのではないでしょうか。
実際のところ、保育士の離職率はどうなっているのか、データを調べてみました。
保育の仕事についてお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
保育士の離職率は高いって本当?
厚生労働省の「保育士の現状と主な取り組み」という調査によれば、保育士全体の離職率は「9.3%」という結果が出ました。
ちなみに、職種を問わない日本全体の離職率の平均値は、「15.0%」とのことです。
これを踏まえると、保育士の離職率は平均よりも低く、保育士が特別に離職率が高い職業というわけではないことがわかります。
ちなみに全国の保育士は約59万人というデータも出ています。
ここから9.3%と考えると、約5.5万人が離職していると言えるでしょう。
だいたい、9〜10人にひとりは毎年保育士を辞めているという計算になります。
保育士はなぜ退職したいと感じてしまうのか?
保育士の離職率がほかの職種に比べて特別に高いわけではありませんが、それでもやはり多くの人が毎年離職を決心しています。
「辞めようか悩んでいる」という人も含めれば、さらにその数は多くなるでしょう。
保育士を辞めたいと感じてしまう理由には、例えば労働環境への不満が挙げられます。
◆給料が安い
◆休みがとれない
◆持ち帰りの仕事やサービス残業などが多い
◆仕事量が多い
◆手当や待遇に不満がある
このような不満が溜まることで「このまま仕事を続けるのは難しいかもしれない」という判断になるのです。
そのほかにも、人間関係も離職につながりやすいポイントです。
ほかの保育士とうまくいかない、上司や園長とそりがあわない、保護者との関係がストレスになっているなど…。
さまざまな理由によって、不満や心配ごとが増えると仕事のモチベーションも下がりやすくなります。
結果として「辞めたい」「もう、辞めるしかない」という結論につながっていくのです。
離職につながらないよう職場環境をよく見極めよう
実際に離職につながるかどうか、そもそも「辞めたい」と思うかどうかは、職場環境によって左右されるでしょう。
やはり不満の多い環境では離職率も高くなりますし、逆に働きやすい環境ならば離職率は下がります。
そのため、職場選びの際には時間を惜しまずにしっかり検討しましょう。
特に大切なのが、園見学です。
時間の都合などで難しいこともあると思いますが、できるなら事前の園見学はしておきたいものです。
難しいのであれば、面接のタイミングでも構いませんのでしっかり施設の雰囲気をチェックしましょう。
◆子どもはどんな様子か?
◆子どもたちがのびのびと活動し、保育士に話しかけている環境か?
◆保育士同士のコミュニケーションはどうか?
◆施設内はどのような雰囲気か?
◆保護者対応、電話対応などはどうしているか?
もし、ピリピリとした緊張感のあるようすがあれば、少し注意した方がいいかもしれません。
余裕のない雰囲気の施設は、あまりいい保育環境とは言えないでしょう。
あわせて、待遇や労働条件も事前に確認することが大切です。
給料や休日休暇、手当などで不透明な点はないか、よく確認しましょう。
例えば、「固定残業代(みなし残業)」が指定されている求人の場合には、あらかじめどの程度の残業を見越しているのか確認しましょう。
ここに含まれている残業時間と金額をよく知っておくことが、トラブル防止にもつながります。
このほかにも、通勤手当や住居手当などの各種手当は、詳細を確認しておきましょう。
どんな内容に対して手当が出るのか、またどのくらい支給されるかは施設ごと違います。
確認を怠っていると、あとから不満につながりやすくなります。
よりよい環境を求めて転職を選ぶのもひとつの手
もし、現在の労働環境に不満があるのであれば、転職を検討するのもひとつの手です。
転職というと「ハードルが高い」と感じたり「再就職できるか不安」と感じたりするかもしれませんが、我慢して続けることで心身に影響してしまうこともあります。
大変な状況に陥る前に、転職を検討することは自分の身を守ることにもつながります。
その後の就職活動に不安があるのなら、派遣サービスを利用するのもおすすめです。
派遣では保育士と施設のあいだに担当者が入ってくれるので、自分に合った施設選びがスムーズにできます。
聞きにくいことを代わりに聞いてもらったり、交渉してもらったりすることも可能です。
「自分ひとりで転職するのは不安」という気持ちにも寄り添ってもらえるので、前向きな転職が叶いますよ。
まとめ
保育の仕事は大変と言われることも多いですが、実際のところほかの職種に比べて著しく離職率が高いわけではありません。
それでもやはり、労働環境によっては「働くのがつらい、大変」と感じやすいと言えるでしょう。
不満があるときには耐えるのではなく、前向きに別の環境を探してみましょう。