2024.1.18
保育士の給料が改善されるって本当?令和4年の処遇改善手当が反映されないケースもある?
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保育士の仕事をしていて「給料が安い」という不満を抱いている人は多いのではないでしょうか。
待機児童問題も深刻化しますますの処遇改善が求められる今、保育士の給料を引き上げる動きも話題を集めています。
そこで、令和4年から実施される保育士の処遇改善について解説していきます。
令和4年から保育士の給料が改善されるって本当?
かねてより「保育士の仕事は賃金が安いのではないか」という声は、さまざまな現場からあがって問題視されていました。
子どもの命を預かる仕事であり、業務が多いのにもかかわらず、賃金が安いと保育士は「割に合わない」と辞めてしまいます。
結果、現場の人手が足らず社会問題にも発展していました。
それを受け、令和4年2月から「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」が実施されました。
「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」とは、簡単に説明すると保育士や幼稚園教諭といった職業の人件費をアップする対策です。
保育園や幼稚園、認定こども園、小規模保育園、訪問型保育事業などが対象となります。
ちなみに保育分野のほかにも、看護や介護といった分野で賃上げ措置が行われています。
保育士が安心して仕事を続けていくために、とても意味のある制度と言えるでしょう。
ちなみに、前述の施設で働いている人であれば、保育士だけでなく清掃員や事務員も対象になります。
保育士の給料はどのくらい変わる?
保育士や幼稚園教諭の給料は、具体的に収入の3%(月額9,000円)アップできるようになりました。
ただし、すべての保育士や幼稚園教諭が自動的にこの金額を受け取れるようになるわけではありません。
詳細は、職場によっても変わります。
そもそもこの制度は、施設に対して、国が必要な費用を補助するものにすぎません。
つまり「保育士の給料が国から出る」というより「保育士の給料を引き上げるための費用を国が補助する」ものです。
どのような流れで、誰がいくら給料を受け取れるかについては、それぞれの施設任せとなります。
例えば、非常勤職員の対応については意見が分かれるところです。
制度の決まりでは、非常勤であろうと対象になるとされていますが「短時間のパートは?」「アルバイトは?」といった詳細には言及されていません。
施設ごとの取り決めの兼ね合いもあり、具体的に受け取れる金額はかわります。
そのほか施設側が手続きをしていないという理由で、施設が費用を受け取っていないこともあります。
当然、その場合には保育士のもとに還元されません。
保育士の給料は今後変わっていく?
令和4年から採用されているこの取り組みですが、今までにはこのほかにも給料の改善につながる制度が展開されてきました。
例えば2019年度には、保育士の給与を約1%(月額3,000円)改善する制度が採用されました。
さらに「処遇改善等加算Ⅰ」「処遇改善等加算Ⅱ」のように、平均勤続年数を踏まえて給料がアップしていく制度もあります。
このように、時間をかけて少しずつ保育士の労働環境は改善されているのです。
さらに給料面以外にも、保育士の負担を軽くするための制度が増えています。
保育士の働く環境は以前に比べてよくなっていますし、この調子でさらなる改善が見込めるのであればますます働きやすくなっていくでしょう。
「以前保育士として働いていたけれど、つらくて辞めてしまった」という人も、今改めて働いてみると印象が違うかもしれません。
保育士が収入をアップする方法
このように、制度が変わり働きやすくなっていると言ってもすぐさま自分の給料が変わるとは限りません。
そのため実際の給料に不満を覚えているのであれば、働き方を見直す必要があるでしょう。
例えば、現在非正規雇用であれば正職員になるだけで、主な仕事は変わらずとも待遇面でよくなるでしょう。
さらに研修を経て、なにか役職に就くことでも手当を受け取れるようになります。
職務分野別リーダーや副主任保育士といった役職を目指してみるのもいいかもしれません。
そのほかにも現在働いている施設で、キャリアアップの道はないか確認してみると良いでしょう。
先輩保育士や園長に相談してみることでも、思わぬ道が開けていくかもしれません。
どうしても現在の職場でキャリアアップが難しいのであれば、転職を検討するのも良いでしょう。
例えば、現在私立保育園に勤めているのであれば公立保育園へ転職するという道もあります。
公立保育園は比較的給料が高く設定されていることから、収入アップにつながるでしょう。
転職にあたっては公務員試験を受ける必要がありますが、公立保育士にチャレンジするのを目標にすることでモチベーションがあがるかもしれません。
もちろん公立保育士以外にも、条件のいい求人はたくさんあります。
自分に合った転職先を見つけることで、納得して前向きに働けるでしょう。
まとめ
保育士の給料は「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」によって改善されています。
しかし、必ずすぐにすべての保育士の給料が変わるわけではないため、確実な収入アップを望んでいるのならそのためのキャリアアップを検討しましょう。
広い視野で転職活動を行うことによって、これまでよりも待遇のいい環境で働けるようになる可能性もありますので、まずは求人探しからはじめてみましょう。