2022.11.2
何気なく言ってない!?保育士が子どもに言ってはいけない「魔のワード」と言い換え方法
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毎日子どもと接していると、つい言葉遣いが乱れてしまったり、感情的になってしまったりすることもあるのではないでしょうか。
しかし保育士として子どもと接する上では、「言ってはいけないNGワード」があります。
日頃から遣っていないかこの機会にチェックしてみるとともに、何気なく言ってしまわないよう言い換えの方法を知っておきましょう。
保育士が子どもに言ったらNGなワードとは?
日頃、保育業務をしているとさまざまな言葉を使いながらコミュニケーションをとることになるでしょう。
そして状況によっては、子どもに危険な思いをさせないためや、子どもを守るために厳しい言葉を使わなければならないこともあるはずです。
必要に応じて強い言葉を使うこと自体は仕方ないのですが、そのとき使う言葉には注意が必要です。
保育士からすると何気ない言葉のひとつであっても、子どもを傷つけているかもしれません。
特に注意しなければならないのが、子どもに対して感情をぶつける、頭ごなしに物を言うなどの言葉です。
保育士さんは忙しさや余裕のなさの中で、ついうっかり使ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、言われた子どもは強い衝撃を受け、深く傷つき先生や友達に心を開けなくなる可能性もあります。
決めつけるような言葉に注意
それでは具体的に、どのような言葉に注意が必要なのか確認していきましょう。
例えば、毎日の施設生活ではお片付けなど「誰しもやらなければいけないこと」があるでしょう。
しかし中には、思うようにできず遅れをとってしまう子もいるかもしれません。
そのようなときや、子どものミスや失敗を見つけたときに「できなかったね」というような言い方をしていないでしょうか?
そのほかにも「前もできなかったよね」「いつもできないよね」といった言葉を使っていませんか?
子どもに対し「できない子だ」と決めつけるような言葉をかけると、子どもの自己否定感につながってしまいます。
やる気や自信がなくなってしまいますから、なるべく優しく言い換えましょう。
例えば「ちょっと早めにとりかかってみよう!」「こうしたらできるかも!」と、アイディアを提案し、サポートをしてあげましょう。
怒り方・注意の仕方にも工夫してみよう
保育士さんは、ときに怒らなければいけないシーンもあるでしょう。
そんなとき「なんでこんなことしたの!」「こんなことしちゃだめでしょ!」と頭ごなしに否定していませんか?
ときには強く怒ることも大切なのですが、このような怒り方では同じことをくりかえしてしまう可能性が高いです。
というのも、ただ「だめ!」と強く言うだけでは、子どもはなぜ「だめ」なのか理解できず、納得できないためです。
好奇心旺盛な子どもをたしなめるには、きちんと理由を添えて説明しましょう。
「こうだからやらないでね」と伝えた上で、別のタイミングでも子どもにも自分の口で説明させてみてください。
「~してもいいんだっけ?」と子どもに聞いてみて、子どもに「だめな理由」を語らせてみましょう。
「やめなさい」「早くしなさい」と言った強く強制する言葉も「こうできたらもっといいよ!」と、ポジティブに伝えてみましょう。
また、駄々をこねている子どもに「もう知らない」「もう置いていくからね」と頭ごなしに、感情的に言うのも避けてください。
子どもは自分の主張を真面目に受け取ってもらえなかった悲しさとともに、保育士さんに恐れを抱いてしまう可能性があります。
子どもの主張をないがしろにせず「そうだね、やりたいよね」「もっと遊びたかったよねと気持ちに寄り添うことも大切です。
ほかの子どもと比べるような表現に注意
保育施設で多くの子と向き合っていると、どうしても一人ひとりの得意・不得意な面が見えてくるのではないでしょうか。
そのとき「〇〇ちゃんはできたのに」「◯◯くんならすぐやってくれるよ」と、ほかの子と比べるような表現はNGです。
比較や優劣をつける言葉は、子どもに「自分は劣っている」「悪い人間だ」と感じさせるきっかけになってしまいます。
優劣がどうしてもついてしまうシーンでは、優れている子にスポットライトをあてるよう意識しましょう。
できている子に「◯◯くんすごいね!」といった言葉をかけていると、褒められた子はうれしく思い、それ以外の子の競争心に働きかけることができるかもしれません。
劣等感を覚えやすい子には「◯◯ちゃんはこういうことが上手にできるから、こんな風にやってみるといいかも!」とアドバイスを添えてあげるとよいでしょう。
また、子どもが泣いたり怒ったりして感情的になっているときには、ほかの子に伝染してしまわないよう早く機嫌を直してほしい、と思ってしまうこともありますよね。
だからと言って「もう泣くのは終わりだよ」「みんな楽しく遊んでるんだよ」というように、集団を強く意識させて強制させるのはやめてください。
早く機嫌を直してもらいたいのであれば、なおのこと子どもに寄り添った言葉を使うべきです。
「そうだよね、悲しいよね」「こうだったからいやだったよね」と、子どもの気持ちを尊重する言葉を意識的に投げかけましょう。
また、問題を起こす子に対して「そういうことする子は嫌いだな」など、保育士の感情で評価をくだすようなことも避けてください。
「保育士から嫌われている」と考えた子どもは深く傷つき、さらに反発したくなるかもしれません。
「~できる〇〇くん、かっこいいよ」「◯◯ちゃんのこういうところが大好き」など、ポジティブな言葉で愛情を表しましょう。
まとめ
保育士さんにとって何気ない言葉でも、子どもからするとその後の人生で何度も思い出す「トラウマの言葉」になる可能性があります。
日頃から表現に注意し、できるだけポジティブに言い換えられるように意識したいものです。
よくない表現を使ってしまったときには素直に謝り、子どもの気持ちに寄り添いましょう。