2020.3.28
企業主導型保育施設とは?特徴や他の保育施設との違いを大解剖
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「企業主導型保育園」という言葉を耳にしたことがありませんか?
近年、ますます深刻化する待機児童問題を解決へ導くために少しずつ増えている新しい形態の保育施設です。
「具体的にどんな施設なのか分からない」という人のため、それぞれの詳細をご説明します。
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企業主導型保育園とは
企業主導型保育とは、一般的な保育施設が国や市町村が手がける施設であるのに対し、会社主体となって運営されている保育施設のことです。
「認可外保育施設」として扱われていることが特徴ですが、施設の立ち上げや運営の際には国から助成金を受け取ることができます。
そのため、今後もますます数が増えていくのではないかと考えられています。
他の認可外保育施設との明確な違いとして、企業が運営しているからこそ主体となっている企業がそれぞれのニーズを考慮しながら必要なサービスを提供できるという魅力があります。
社内で働くワーママや子育て世代の意見も取り入れながら、働きやすい環境づくりを実現できます。
事業所内保育事業との違い
企業主導型保育園の特徴を知って、すでに多くの企業で取り入れられている「事業所内保育施設」と似ているのではないか?と考えた人も多いのではないでしょうか。
働きながら子育てをしている社員を支援する目的で運営される「事業所内保育事業」は、設置の際に市区町村の認可を受けなければいけません。
また、施設で受け入れる定員は4分の1を地域に開放しなければいけない、と定められています。
一方で、企業主導型保育事業は無認可保育施設です。
設置の際に認可を受ける必要はなく、都道府県への届け出のみで設置が可能です。
施設の面積やスタッフについての決まりは事業所内保育事業と変わりませんが、行政による厳しいチェックとそれによる認可を受ける必要がないため、比較的設置しやすいと言えるでしょう。
企業主導型保育園を設置する企業のメリット
前述の通り、認可を受ける必要がないこと、助成金を受け取れることは企業側にとって非常に大きなメリットと言えるでしょう。
自治体によっては企業主導型保育園に必要な費用の出費をなるべく抑えたい、少子化が深刻化した際保育施設が余ってしまう状態を避けたいといった理由から、認可に消極的なこともあります。
しかし企業主導型保育では国から助成金を受け取って運営でき、自治体とのやりとりも必要ありません。
これまでに保育施設の設置を検討したものの、結果として諦めてしまった経験のある企業にとって再チャレンジのきっかけになるでしょう。
また、企業主導型保育園は他の企業との提携も可能であるほか、企業と直接的な関係のない地域の子どもたちを受け入れることもできます。
多くの企業、地域住民と協力できるため、多くの人と手を取り合いながらサービス展開ができるでしょう。
人と人との結びつきを強くしたい、もっと地域に貢献したいと考える企業にとって、いいチャンスになるはずです。
企業主導型保育園を利用する保護者のメリット
保護者にとっては、企業主導型保育園の存在によって柔軟な働き方を叶えられるということが大きなメリットとなるでしょう。
これまで、子どもを中心に考えて働き方の選択肢を絞っていた人、パートや短時間勤務を選んでいた人、休日出勤を求められる企業の内定を蹴っていた人などなかなか求人が見つからず、理想の働き方ができなかった人もいるでしょう。
しかし企業主導型保育を利用すれば、子どものことを考えながら仕事にも向き合いやすい環境が実現できます。
前述のように、企業主導型保育園は幅広いニーズに応えながらサービスを展開できるため「今日だけ迎えに行くのが遅くなってしまう!」、「夜間に子どもの面倒を見ていてほしい!」といったニーズについても、他の保育施設より応えやすくなるでしょう。
「子どものことが心配で思うように働けない」といった悩みも、解消しやすくなるはずです。
企業主導型保育園で働く保育士のメリット
企業主導型保育園の存在は、保育士にとってもさまざまなメリットがあります。
今、少しずつ増えている企業主導型保育園はまだまだ歴史が深くないため、オープニングスタッフのように働くことができます。
勤務歴を参考にした先輩・後輩という明確な上下関係がなく、みんなで一緒に施設を作っていくことができます。
子どもを預かる人数についてもはじめのうちは少人数におさえ、少しずつ増やしていくことが多いため子どもたち一人ひとりときちんと向き合える環境を構築しやすいでしょう。
また、受け取れる給与や福利厚生、休日休暇、賞与、昇給などの各種待遇については企業の規定に準じて定められます。
経営基盤がしっかりしている大手企業の運営施設ならば、一般的な保育施設よりも好待遇を期待できるかもしれません。
企業が休みなら保育施設も休み、ということも多く休日休暇が充実しやすいことも魅力でしょう。
福利厚生、教育制度に力を入れている施設もあり、資格取得支援なども充実している可能性があります。
例えば「無資格だけど子どもにかかわる仕事がしたい、助手として働きゆくゆくは資格取得を目指したい」という人も、働きながら学んでいけるでしょう。
一般的な保育施設が住宅街にあることが多いのに対し、企業主導型保育園は駅近、オフィス街などの立地が多く通勤が楽という特徴があります。
まとめ
国も助成金を用意し、積極的に運営をサポートしている企業主導型保育園は、今後も数が増えていくと予想されます。
保育士にとっても立地や待遇など魅力がある企業主導型保育園は、ねらい目の求人と言えるでしょう。
これまで一般的な保育施設に絞って転職活動をしていた人も、この機会にチェックしてみてくださいね。