インクルーシブ保育とは?子どもと保育士にとってのメリットと導入時の注意点

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2022.9.27

インクルーシブ保育とは?子どもと保育士にとってのメリットと導入時の注意点

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インクルーシブ保育という言葉を聞いたことがありますか?

近年、保育の現場のトレンドとして注目を集めている言葉であり、今後は保育のスタンダードになる可能性もあります。

この機会に改めて、どのような保育のことなのか確認してみましょう。

インクルーシブ保育とは?

インクルーシブ保育とは、簡単に説明すると一人ひとりを尊重し、個人の違いを踏まえた上でそれぞれの在り方を認め合う保育のことです。

特に、障害がある、ないといった違いに関係なく、それぞれの個性を認め合う保育、という意味合いで使われることが多いようです。

そもそもインクルーシブ(inclusive)という言葉の意味は「包括的な」「すべてを含んだ」。

つまり、障害があってもなくても、それらをすべて含み包括的な保育を実現することを目的としています。

これまで、多くの教育の現場では障害の有無でクラスや環境が分けられていました。

いわゆる「普通学級」と「特別学級」のように、分断された環境で学生時代を過ごした経験のある人も多いのではないでしょうか。

しかし近年では、そうした環境の違いに疑問をとなえ、異なる学級のあいだで積極的に交流する機会を設ける流れが増えています。

こうした教育方針は、「統合(インテグレーション)教育」と呼ばれています。

インテグレーション教育は、一見インクルーシブ保育と似たように考えられるかもしれませんが、障害のある、ないでの区別そのものは行われます。

その上で、交流する機会を増やしたり学習環境を統合したりするのが特徴です。

インクルーシブ保育の魅力

インクルーシブ保育の魅力として、子どもたちがさまざまな人と出会えるという点が挙げられます。

日常的に障害のある友達にもない友達にも出会えることによって、個人がそれぞれに「違いがある」ということを、より体感的に知れるでしょう。

そしてそれぞれの違いやそれによるサポートについて早くから知っておくことで、子どもも刺激を受け、成長につなげることができます。


「人はそれぞれに違いがあるのが当たり前」という、柔軟な考え方をするきっかけにもなるかもしれません。

立場の違う人とも同じ目線で過ごす機会が増えれば、色んな人がいることをわかった上で、関わり合い方を学ぶこともできるはずです。

ときには自分の思う「普通」、つまり偏見と対峙することになるでしょう。

感受性が凝り固まる前に偏見や差別のもとになりうる感覚と向き合えば、その後の人生においても相手を尊重できるようになるはずです。

真の意味で、思いやりを学ぶ機会となるでしょう。

インクルーシブ保育の保育士にとってのメリット

インクルーシブ保育は、子どもたちだけでなく保育士にとってもさまざまな魅力があります。

まず、色々な子どもたちと向き合う機会があれば、その分保育士自身もあらゆる経験を積むことができます。

ときには一筋縄でいかないこともあるかもしれませんが、その分柔軟な対応力や、より高い保育スキルを身につけられるでしょう。

色んな子どもたちと触れながら、保育士自身も学ぶことが多く、保育士としてスキルアップしたい人にぴったりです。

療育や医療的ケアのように医療分野につながる知識も深められ、必要に応じてケアの資格を取得するなど具体的なスキルアップもできるでしょう。

そうして身に着けた知識や資格は、将来的なニーズにつながるはずです。

さらに、保護者への対応でも通常の保育とは違う心配りが必要になるかもしれません。

そのため保護者対応についても学ぶことができるでしょう。

インクルーシブ保育の課題

インクルーシブ保育は、今後ますます広がっていくのではないかと考えられています。

一方で少なからず課題もあり、例えばインクルーシブ保育に対する知識が十分でなければやはり導入するのは難しくなってしまうでしょう。

障害の有無は、やはりデリケートな問題です。

せっかくインクルーシブ保育を取り入れていても、援助の体制が十分でなければ、障害を持つ子が「周りの子はできるのに自分はできない」という劣等感を覚えることにもつながりかねません。

体制が不十分な施設では、保育士が障害のある子につきっきりという状態にもなってしまうでしょう。

すると他の子どもたちに、十分な保育が行き届かなくなってしまいます。

同時に、特定の子につきっきりという状態は子どもたちにとってもえこひいきのように思えてしまうかもしれません。

いくら違いを認め合うのが目的のインクルーシブ保育であっても、十分な理解を求めるまでには時間がかかってしまいます。

保育士にとっては、専門スキルや知識が必要であることから資格を取る、講習を受けるなどの能動的な勉強が必要になります。

また前例が限られているインクルーシブ保育は、実践の中で時間をかけて課題を解決しなければいけません。

職員同士でも連携を取りながら、子どもや保護者の対応をしていきましょう。

まとめ

インクルーシブ保育とは、障害の有無に関係なく子どもたちそれぞれの違いを互いに受け入れることを目的とした保育のことです。

子どもにとって偏見や差別のもととなる思い込みを失くしやすく、保育士にとってもさまざまな経験や知識を身に着けるきっかけになるでしょう。

導入の際には保育施設一丸となって体制が整える必要があるため、この機会にインクルーシブ保育についてよく考えてみてはいかがでしょうか。

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