2024.9.1
みか先生
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みか先生
派遣保育士歴:1年目
京都府京都市 保育園勤務
#アパレルと保育の違い
#派遣の働きやすさ
#笑顔でいられる秘訣
これまでと今の働き方について教えてください
保育科の短大を卒業後、保育園に正職員として3年間勤務しました。その後、アパレル、雑貨屋の販売員を経て、保育士に復帰。
そして現在はベルサンテの派遣保育士として、京都市内の保育園に勤務中。お話することが上手になってきた可愛い2歳児クラスを担当しています。
保育士になったきっかけは?
幼少期に通った保育園での楽しい記憶が、保育士を目指そうと思ったきっかけです。両親が共働きで遅くまでお仕事を頑張ってくれていたので、保育園で過ごす時間がすごく長かったんですね。ちょっと寂しいなと感じることもあったんですけど、それ以上に楽しい記憶がたくさんあります。
インナー1枚でどろんこ遊びをしたり外で体を動かしたり、寂しいと感じさせないために先生方が色んな工夫をしてくれていたんだなと今はその有難さがよく分かります。
特に印象に残っているのが、私と同じ名前の「みか先生」。いつも優しくニコニコしていてたくさん遊んでくれました。名前だけでなく家もご近所さんで、私の母とはママ友と、たくさん共通点がある先生に親近感が湧いたんです。
あと、お昼寝をしていた場所は今でもよく覚えています。普段は友達や先生たちの声が響いている空間が、お昼寝の時間になると途端に静かになるのがいつも不思議で。何てことないシーンを思い出せるのは園で過ごした時間が居心地が良かったんだと思います。
新卒1年目~3年目を振り返り
高校卒業後は保育科の短大に進学しました。でも実習が想像以上にしんどかったり、一人暮らしをきっかけにお洋服が好きになってアパレル業界にも興味がでたり、色々と悩む時期でもありました。
そんな中で大学の先生に お勧めしてもらった保育園に見学させていただいたところ園長先生の柔らかいお人柄と楽しそうな職場の雰囲気に惹かれ、保育士とし頑張ろう!と就職しました。
1年目:何がなんだか分からない、先輩の背中を見ながら何とか乗り切った感じ。
2年目:前年を思いだしつつ少しずつ要領を掴めてくる。
3年目:クラス内の仕事や行事が把握できてくる。自分自身でスケジュールを組めるようになるので事前準備もスムーズに。仕事をやらされている感覚から、自分で進める感覚になっていくことで徐々にやりがいを見いだせるように。
尊敬する先生との出会い
振り返ると充実した3年間でしたね。特に2年目に組ませていただいたベテラン先生との出会いが印象深いです。当時の私はまだ新人で、次に何をすればいいのかも手探り状態。先輩はそんな私を理解して、感情的に怒ったりせず、優しく指導してくださいました。
例えば、先輩が子どもたちに「次は園庭に行くよ~」と声をかけつつ、さりげなく私にも次に何をするのかを知らせてくれる。子どもたちに言っているようで、私にも言ってくれているのだなというのがちゃんと伝わってきました。言い回しもすごく上手で、保護者の方にちょっと言いにくいことも誤解を招かないように丁寧に言葉を選んで伝えているのも勉強になりました。
先輩との出会いがきっかけで、私自身も言い回しには今でも気をつけています。相手に何かを伝える際には言葉選びに気をつけてみたり、声色を一定ではなくちょっと抑揚をつけてみたり。経験が浅い時に、尊敬できる先生とお仕事できたことは私にとって財産です。
アパレルで得た所作スキル
三年間正職員として働き、その後、やりたいことは若いうちにやっておこう!と学生時代から興味のあったアパレル職に転職。大手アパレルブランドに派遣で入社したものの店長さんに気に入っていただけて正社員として働くことになりました。
自分の好きなことを仕事にできた喜びも束の間、慣れないヒールと長時間の立ち仕事で足がむくんでパンパンに……。顧客様と楽しそうにお話ししながらも上手に接客する先輩と自分を比べて落ち込んだり、経験や知識の奥深さを痛感しました。
ただ、店頭に立つときは「常に指先までビシッと綺麗に!」と言われ続けたことで、日ごろから美しい所作を心がけるようになりました。
今、保育復帰しましたが、アパレル時代に培った所作や相手の顔をちゃんと見て挨拶すること、笑顔を絶やさないことは、新卒の保育士時代に比べると意識できているんじゃないかなと思います。マスクをしていても、目でも伝わる笑顔で!を心がけています。
他業種を経験して分かった保育の魅力
アパレルで働いた後、雑貨屋の販売員を経て、産婦人科病棟にて保育士に復帰しました。産婦人科では、新生児の沐浴やミルクをあげるなど、医療行為以外のサポート業務を担っていました。
保育士に復帰した理由はシンプルに、やっぱり子どもと関わる仕事の方が楽しいな!と思ったから。
毎日同じ子どもたちと触れ合って、性格を知って、サポートしてどんどん成長していく。“どうやったら楽しんでくれるかな~”とか“これしたら成長するかな~”とか、ふとした時にでも考える自分がいます。それはやらされているという感覚ではなく、素直な自分の気持ちにしたがって動けることに楽しさややりがいを感じます。
販売員時代には接客を通じて色んな方と関わる楽しみもありましたが、子どもを介して保護者とお話ししたり、子どもの成長を保育士同士で喜び合ったり、保育にしかない魅力に他業種を経験して気づくことができました。
私らしい働き方をみつけた
産婦人科病棟で働いた後は、京都市内の保育園で正職員として4年働いていたのですが、その後系列園である滋賀県の保育園へ異動になったんです。
当時の私は入籍したばかりで妊活も始めたところ。異動により通勤時間が大幅に増えたことや正職員として働き続けることに不安も感じていたので、将来のことも考えて派遣に切り替えてみようと思ったんです。
派遣保育士については、京都の保育園で働いていた時にベルサンテの派遣保育士さんがいらっしゃったので、そこで初めてこういう働き方があるんだと知りました。
ベルサンテさんに初めて連絡をした際に、最初に対応してくださった担当者さんがとても物腰がやわらかく、説明もしっかりしていただいたので進路についてはお任せしよう!って安心したのをよく覚えています。
実際に派遣保育士として働き始めて約半年になります。
仕事内容は、正職の先生方のサポートが中心です。指導計画や会議への参加、行事の企画立案はありませんが、その他保育に関わる部分ではできる限りサポートさせてもらっています。
自分の役割が明確になっているので働きやすさを感じています。あと、職員の皆さんも私が派遣だからといって隔たりなく気さくに話かけてくださるのもとっても嬉しいんですよね。
体力面、気持ちの面ともに心に余裕を持って働けていて派遣保育士を選んで良かったなと思っています。
プライベートでは見えない私の姿
実は私、人見知りで、プライベートではあまり自分から喋るタイプではないんです。
でも、保育園にいると子どものパワーをもらっているおかげで自然と明るくなっている自分がいるし、よく笑っています。
きっと、保育士として働く私を夫や両親がみると別人でびっくりするかも(笑)。
改めて保育復帰して、私って「子ども好きなんやな~」って思います。職場の先生からも「よく笑っているね!」と言われます。
子どもは何を言っても返してくれるし、何なら子どもからたくさん喋ってくれる。先生たちとも「子ども」という共通の話題があるので自然と会話が弾みます。
人見知りだからこそ、こういった保育園の雰囲気に居心地の良さを感じられているのだと思います。
「やっぱり、保育っていい」と思う瞬間は?
1年を通じて子どもたちの成長を見届けられるのが保育士の魅力だなって思います。
その中で自分が、一つでも多く成長を促すことができる存在になれたらな、と。
保育園の子どもたちは一人ひとり性格も成長のスピードも違います。中には言葉の発達がのんびりな子もいて、そういった子に少しずつでも言葉を伝えていたら、言えるようになったり。そういったときに、子どもの成長を感じられて嬉しくなりますね。
最近では、ある子が手首の血管を不思議そうに見ていたので「血管って言うんだよ!」って教えてあげたら、それからずっと腕まくりをして「けっかん、けっかん」と繰り返していました(笑)。あまりに面白くってクラスの先生に「血管が言えるようになりました」と共有しました(笑)。
保育士として、人としてのこれから
これからも保育士を続けていきたいと思っています。
保育園には、元気な子どもたちがいて、先生も明るくてよく喋る人が多くって。
聞き役になるのが心地良い私にとって人間関係を築きやすい環境なんです。
あとは、保育はいつまでも学び続けられる環境であること。今までも色んな保育施設やクラスで経験してきましたが、園や先生によって保育の仕方が全然違うんです。
どれだけ経験を重ねても「なるほど~この声かけ素敵だな!」とか「今度この先生みたいに子どもたちに接してみよう!」と思うことがたくさんあります。それが保育士の楽しいところ。
これからも子どもや先生からたくさんパワーをもらって、保育士としても、人としても、もっともっと成長できたらなって思っています。
大切にしている言葉
「笑顔」
自分から声をかけるのが苦手な分、相手が話しかけやすいように笑顔でいることを心がけています。ムスッとしているよりニコニコしているほうがきっと相手も気持ちいいと思ってくれますよね。
【編集後記 fromみか先生担当の保育コンシェルジュより】
みか先生が京都の園で勤務されていた時に、実はお会いしていたかもしれませんね。
有難いご縁がつながりこうしてみか先生を担当していることを嬉しく思っています。
みか先生の第一印象はにこやかで明るい先生!…でしたので今回の取材記事を読み少し驚きました(笑)。それと同時に「先生」へのスイッチを入れてお仕事されているお姿にさすがプロフェッショナル!だと感じました。
園長先生からも「みか先生は色んなことに気が付ける先生だし、ずっと明るく笑顔で保育してくださるのでとっても助かっています!」とお言葉を頂戴しています。
これから産休に入られてご出産の準備ですね!今までのご経験が必ずご自身の子育てに活かされると思います。きっと大変なこともあるかもしれませんが、保育のお仕事と同じように子育ても楽しめる機会が多くあることを願い応援しています。また復帰の際はしっかりサポートしますね!
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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : 堀池恵美
写真 :黒田彩加