2024.12.7
ちえ先生
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ちえ先生
派遣保育士:5年目
愛知県小牧市 生活介護事業所&児童発達支援センター勤務
#今に導く両親の教え
#保育は好奇心を満たす
#知らない土地で派遣が救いに
これまでと今の働き方について教えてください
正職員の保育士として約6年間、保育園に勤務していました。育休復帰後の今は、生活介護事業所と同法人が運営する児童発達支援センターで働いています。
9~12時は生活介護事務所で生活支援員として働き、午後からは児童発達支援センターで保育士として3~5歳児と関わっています。
保育士を目指したきっかけは?
私、生まれてから就学前まで父の仕事の関係で、マレーシアのクアラルンプールで暮らしていたんです。日本語の通じない現地の幼稚園だったのですが、毎日楽しく通っていましたね。
「今日はこれをして遊ぼっか!」「(私が何かすると)それいいね~!」と幼稚園の先生がポジティブな声かけをしてくれて、とても優しかったのを覚えています。
異国の地で安心して幼稚園に通えたのは、マレーシアの先生方のお陰。その有難さを大人になってから身に染みて感じています。
その頃から「先生」への憧れがあったと思うんですけど、中学の職場体験で保育園に行ったことが一番大きなインパクトでした。
子どもたちと遊ぶ時間が楽しかったし、「これがやりたい仕事だ!」って、そこから私の目標になりました。高校も保育科がある学校に進学して、その後短大に行って保育士になりました。
新卒時代、辛かったけどやってよかったこと
新卒時代は、行事の準備や書類作成で時間に追われたり、家に帰ってからも製作準備をしたりと慣れない業務で睡眠時間を削ったり、プライベートな時間が取れずに精神的に辛いときもありました。
一方で今、振り返るとあのとき頑張っておいてよかったということもあります。それは、新卒から6年働かせてもらったので、乳児~幼児まで幅広い子どもたちと関わる経験ができたこと。
自分自身の子育てにおいても乳児経験が役に立ったし、今の職場では幼児クラスの経験が活きています。
意思を尊重してくれた両親の教え
保育の面白さは、常に学びがあることかなと思っています。私はもともと好奇心旺盛で色んなことを知りたい、やってみたいタイプなんです。
思い返すと、両親は、小さいころから私の意思を尊重してくれていました。気になる習い事や興味があることは、何でも挑戦させてくれて。
「なんでもやってみればいいじゃん」「嫌だったらやめればいいんだよ」
そんな風に両親が育ててくれたので、人一倍、挑戦欲はあるかもしれません。その知的好奇心が満たせる保育現場は、私にとって居心地の良い場所なんです。
保育士になることを決めたときも「ちえがやりたいなら応援するよ」といつも背中を押してくれた両親には感謝しかありません。
新天地で見つけた「頼れる場所」
結婚後、夫の仕事の都合で愛知県小牧市に引っ越すことになり、6年勤めていた保育園を退職。新しい土地でも保育士として働く為にネットで求人情報を調べると、たくさん求人がでていたんですよ。
求人があること自体は良かったんですけど、どこにどんな園があるのかエリアのことも全然分からないから、この先どうやって転職活動を進めていったらいいか分からなくなっちゃったんです。
そんなときに、前職の同僚が「派遣会社に登録すると、エリアのことも教えてくれるし、自分に合う働き方を探してくれるから、おすすめだよ」ってアドバイスをしてくれて。
そこで、ベルサンテさんに出会って派遣保育士として働き始めることになりました。お仕事のことや進路についていつでも相談できる場所ができたっていうのは、新生活を送る私にとってはすごく心強かったです。
コロナ禍…妊娠中でも安心して働けた!
派遣保育士になり、仕事にも慣れてきた頃にコロナ禍になってしまって……。2020年の春、私は第1子を妊娠していたのですが、働いていた園はコロナにより一時休園。
すぐに再開されたものの、園長から「妊婦さんに仕事をしてもらうのは何かあった時の責任が取れないから休んでほしい」と伝えられて。私としては産休までは働きたい気持ちがあったんですけど、もちろん園の意向も分かるし状況が状況なだけに、諦めなくてはいけない雰囲気が漂っていました。
そんなときに担当のkouchiさんが私の意向を汲み取ってくださり、園長に交渉してくれました。kouchiさんと園長先生の間に信頼関係があったからこそだと思うんですけど、体調には十分注意しながら希望の働き方を継続することができたんです!おそらく、直接雇用で働いていたら一時休園後に復帰できないまま産休を迎えていたと思います。
直接雇用ではなかなか園にお伝えできないようなことも、派遣会社を通じて適切なかたちで伝えてもらえるのは派遣ならではの良さだなと実感しましたね。
想像もしていなかった新しい環境への挑戦
二人目の育休後、ベルサンテさんから紹介してもらった職場が、今の生活介護事業所と児童発達支援センターです。
※
生活介護事業所
主に20代~30代の障害のある人を対象に、日常生活の支援や機能訓練、健康管理を提供する施設。
児童発達支援センター
発達に遅れや障害のある子どもたち、成長や発達を促すための支援を受ける施設
ちえ先生の職場は上記の二施設が併設
この仕事を紹介していただいたときに、正直言うと「私で大丈夫でしょうか?」とkouchiさんに聞きました。特に成人対象の障害領域は身体や精神、発達など幅広く、段階もさまざまです。
さらには二児の母になったところだったので、未経験の仕事と家事、育児の両立ができるのか不安があり、決断まで時間がかかりました。
ただ、以前から障害領域について学びたい気持ちがあったことと、看護師さんや理学療法士さんといった専門家と一緒に働けるのは、スキルアップに繋がると思いました。
あと、顔合わせで施設に訪問したときに、理事長先生が「お子さん優先で仕事をしてもらって大丈夫です。他の職員もそうしていますよ。」と言ってくださったことにすごく安心して、よし!ここで頑張ってみよう!と勤務することになりました。
生活支援員&保育士の働き方とは
慣れるまでは難しいと感じることもありましたが、今では一日が終わるのが早く感じるほど充実しています。
午前中は生活介護事業所で、主に成人の障害者さんや生活介護が必要な方の買い物の付き添いや体操、食事の介助等。利用者さんの希望に合わせて寄り添ったり、支援をしたりと柔軟に対応する日々です。
お昼休憩のあと午後からは児童発達支援センターで、だいたい7~8人の子どもたちと関わっています。一緒に天気のいい日に外で氷鬼して遊んたり、紙コップにシールを貼って製作をしたり。どちらもそれぞれの利用者や子ども達の好きなことやペースに合わせて過ごしていますね。
仕事で大変なことは?
生活介護事業所も児童発達支援センターも今まで働いていた保育園のように1日の流れが決まっているわけではなく、毎日対応する内容が異なります。
利用者さんの体調が急に優れなくなったり、どういう行動をとるのか予測がつかなかったりするので、今の私の対応ってベストだったかなと心配で常に緊張感があります。
また、利用者さんのなかには、話すことが苦手でスマホや紙に書いて気持ちを伝えたい方もいるんですよ。色んな方がいらっしゃるので、それぞれに合う信頼関係の築き方を毎日試行錯誤しています。
「やっぱり、保育っていい」と思う瞬間は?
「ちえ先生がいい!」と利用者さんや子どもたちに指名されたときは、信頼してもらっている感じがして、すっごく嬉しいですね。
というのも、実は今の職場で働き始めたとき、私が関わろうとした子に「○○先生(別の先生)がいい!」って言われてしまったことがあるんです。
今の施設には、こだわりの強い子がいたり、新しいものや人に拒否反応を示す方もいます。今までそんなことを言われた経験がなかったので、びっくりしちゃって。
そこから声かけの仕方、タイミング、関わり方を試行錯誤しました。そうしたら3ヶ月目で「ちえ先生と遊びたい~!」って言ってくれたんです。
喜びはもちろんですが、「あ~良かったぁ」という安堵感がありましたね。年齢や障害の有無に関わらず、みんな色んな想いをもって生活しています。
施設に来てくれる方にとって安心できる場所、信頼できる先生でいられるようにプレッシャーがあるときにこそ、相手に寄り添った保育者でいたいです。
大切にしている言葉
「思いやり」
夫も子育てや家事に協力的です。二人の子どもも頑張って保育園に通ってくれています。職場のみなさんも優しく、周りに支えてもらいながらやりがいのある仕事に就けています。
今の現場で働き始めてから、より思いやりの大切さを感じるようになりました。
今の環境に感謝しながら、ずっとこの言葉を大切に進んで行けたらいいなと思っています。
【編集後記 fromみさ先生担当の保育コンシェルジュより】
「初めての転職」「初めての派遣」「初めての産休育休」そして「初めての保育園以外の施設」など、ちえ先生のさまざまな初めての機会を一緒に歩んでこれたことが感慨深いです。
初めてには不安もつきものですが、ご両親からの教えでもあり、何でもやってみるという好奇心旺盛さがあるからこそ、新しいことへのチャレンジが上手くいき、色々なご縁が紡がれていると思います。
きっと、不安や苦難も多くあったと思いますが、「どうすれば良くなるか?」「どうすれば楽しめるか?」に自ら挑戦していける素敵な気持ちと行動や、ご縁から生まれた周りからの協力・理解によって乗り越えてきたこともあるのではないでしょうか?
現在勤務する児童発達支援センターや生活介護事業所も、保育士資格や教員免許を持つ人手を必要とする施設が多くあり、ちえ先生の実際の現場の生の声(メッセージ)が読んだ方に伝わり、新しいご縁に繋がっていくだろうと感じています。
これからも、やりがいを感じながら笑顔でお仕事することへ、最大限のフォローと応援をさせてくださいね!
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インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : Roko
写真 :石原結香
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