2019.4.29
「保育士処遇改善等加算」とは?給料が月4万円アップすることも!
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近年、保育士の処遇改善が少しずつ確実に行われています。
その一環であり、保育士に還元される貴重な制度である「保育士処遇改善等加算」について、聞いたことがあってもよく知らないという人もいるのではないでしょうか。
保育士の給料にも直結する制度ですので、この機会に知識を深めてみましょう。
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保育士の処遇改善が進んでいる?
これまで、保育士の仕事は「給料が少ない、割に合わない」と語られることが少なくありませんでした。
原因の一つに「昇給制度がないこと」が挙げられます。
一般企業では年に一度程度改定が行われることが多く、長く勤めていればその分給料に反映されて勤続・経験に基づいた給料が支給されます。
しかし保育士の場合は、昇給制度がない職場が多く年齢や経験を重ねても、新人の頃と給料が変わらないという事態に陥りやすいのです。
給料の問題は働く意欲にもつながることから、巡り巡って保育士不足の原因とも言えるでしょう。
そこで賃金改善や、キャリアアップの取り組みを行った保育園に対して、保育士の給料を上げるための補助金を支給する制度が誕生しました。
具体的な処遇改善の内容とは?
近年、さまざまな制度やシステムが保育士の職場に導入されています。
その中でも、保育士の給料に直接影響を与えるのが「保育士処遇改善等加算」という制度です。
この制度は、施設に特定の役職を配置するよう義務付けることにより、施設の健全経営を目指すとともに保育士の待遇改善につなげることを目的としています。
具体的には「副主任保育士、もしくは専門リーダーを2人以上配置すること」、そして「乳児保育や幼児教育などの職務分野別リーダーを3人以上配置すること」が義務付けられています。
これによりキャリアアッププランが明確になり、経験を積んだ保育士はそれぞれの役職を目指すことができます。
管理職や専門リーダーは月4万円、職務分野別リーダーは月5000円の手当を支給するようにと定められています。
役職に就くためにすべきこととは?
もちろん、すべての保育士が自分の好きなタイミングでキャリアアップできるわけではありません。
上記のような役職に就くためには、キャリアアップ研修を受ける必要があります。
キャリアアップ研修は大きく8つの分野からなり、幅広い知識を身につけることができます。
乳児保育や幼児教育、保健衛生・安全対策、保護者支援・子育て支援といった、さまざまな分野の知識を深めることで、知識の深い保育士だと認められます。
1分野あたりの受講時間は15時間以上で、トータルで60時間以上の研修によって知識を深めることができます。
キャリアアップ研修は各都道府県ごとに実施されるため、受講の際は各都道府県の政策課や福祉課に問い合わせましょう。
さらに副主任保育士と専門リーダーはおおむね7年以上、職務分野別リーダーはおおむね3年以上の経験も必要になります。
キャリアアップ研修のメリット
キャリアアップ研修を受ける最大のメリットは、前述のように研修を受けることで役職手当がつき、給料アップが望めることでしょう。
一つの職場で長く務め、経験相応の給料を手に入れたいときには「キャリアアップ研修修了」を目標にするのもいいでしょう。
さらに、キャリアアップ研修は各都道府県ごとに実施されますが、修了したという実績は日本全国で通用します。
例えば都内でキャリアアップ研修を修了したのち、UターンやIターンで地方に就職することになった場合にも、改めて受講しなおす必要はありません。
寿退職や出産・育児、介護などさまざまな理由によって退職を経験した保育士が、職場復帰するときにも強みになるでしょう。
キャリアアップ研修の注意点
さまざまなメリットがあるキャリアアップ研修ですが、すべての施設で必ず評価されるわけではないため注意しましょう。
キャリアアップ研修を修了している保育士に対し、一人ひとりにどのような待遇を用意するかは、施設に委ねられています。
例えば月4万円の手当についても、「一人あたり月4万円」ではなく「4人の副主任保育士に月1万円ずつ、計4万円」というような分配をしても問題ないのです。
また職場によっては、研修を受けていてもそうでない保育士と同じ待遇で働くことになるかもしれません。
そして反対に、研修を受けていない保育士も経験を積めば給料アップできる可能性もあります。
理想の給料が手に入れるためには、キャリアアップ研修を受講した上で施設の待遇や研修に対する考え方を十分に理解する必要があります。
転職の際には、問い合わせや事前の下調べを十分にした上で納得できる職場を探すことで、給料アップにつながるでしょう。
まとめ
年々変化している保育士の労働環境は、すでにかつてのイメージとは違うものになっているのかもしれません。
今後も新しい制度やシステムが生まれていくと考えられるため、そうした情報を能動的にキャッチしている職場を探してみてください。