2021.8.4
小規模保育園とは?一般的な保育園との違いと保育士目線の特徴
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保育士が転職を考えているなら、できるだけさまざまな施設に対応できるよう知識を身につけておくとよいでしょう。
一般的な「保育園」だけを転職希望先としていると、あなたの力を求めているほかの施設が選択肢から弾かれてしまい、相性の良い職場を見逃すきっかけになりかねません。
今回は「小規模保育園」に着目し、特徴や一般的な保育園との違いを解説していきます。
小規模保育園とは?
小規模保育園とは、一般的な保育園の定義や決まりごととは違った独自の定義を持つ、より小規模な保育施設のことです。
そう聞くと「普通の保育園と違うの?」「信用していいの?」と思ってしまうかもしれませんが、国が定めた認可基準をしっかりと満たした、認可施設であることには違いありません。
小規模保育園は2015年に施行された「子ども・子育て支援新制度」がきっかけとなり、今全国に数を増やしている施設です。
小規模保育園が増えた裏には、従来の保育施設が認可されるまでのハードルの高さと、待機児童問題が関係しています。
従来の基準で認可される保育施設は規模が大きく、それに伴って必要な設備や人材にも細かな決まりがありました。
それよりも少人数を対象とした小規模保育園は、スペースが限られた場所にも設立でき、施設数が増えることで待機児童問題の対策につながっています。
小規模保育園と一般的な保育園との違い
小規模保育園と「いわゆる」一般的な保育園の違いとして、まず小規模という名前の通り定員が限られていることが挙げられます。
小規模保育園の定員は6名からで、19名以下までとされています。
一般的な保育園が「20名以上」であることを踏まえると、まさに「小規模」な保育施設であることがわかるでしょう。
その分、一般的な保育園での認可がおりなかった施設であっても保育施設としての営業が可能になります。
次に、受け入れる児童の対象年齢が挙げられます。
小規模保育園は0~2歳児が対象となり、一般的な保育園よりも対象となる児童が限られます。
その分、0歳児については産休明けまもなくの生後2カ月ごろから受け入れられるなど、受け入れ可能な条件に特徴があります。
小規模保育園には種類がある
小規模保育園には、それぞれ「A型」「B型」「C型」と呼ばれるの3つの形式があり、特徴が異なります。
まずA型は、一般的な保育園の基準にもっとも近い種類の小規模保育園となります。
ほかのタイプとの大きな違いとして、職員の設置基準が挙げられます。
職員数については「認可保育園の設置基準にプラス1名」であり、これはB型と変わりませんが、全員が保育士資格を持っていなければいけません。
B型の場合、児童の定員が6名~19名であることや職員数についてはA型と同じなのですが、保育士資格の有無については「職員の半数以上」とされています。
つまり、保育士資格を持っていない人であっても必要な知識や技術を身に着けるための研修を行っていれば、職員として勤めることができます。
C型の場合は、まず受け入れる児童の定員が6名~10名と、A型やB型に比べて少なくなっています。
職員の設置数は「0~2歳児すべての年齢において3対1」とされています。
つまり、児童3人に対し1人の職員が行き渡る状態であれば、必ず〇名でなければならないといった基準はありません。
またC型では保育士資格保有者が不在であっても運営できます。
ただし、職員は自治体が定めた内容の研修を修了して、「家庭的保育者」という資格を取得する必要があります。
小規模保育園で働く魅力
保育士が働く場所に小規模保育園を選ぶメリットとして、例えば児童一人ひとりにしっかり目を配ることができる点が挙げられます。
規模の大きい保育園の場合、どうしても一人の保育士が数十人などたくさんの児童を受け持たなければなりません。
タイプの異なる多くの児童と触れ合える魅力はありますが、どうしても集団行動を優先しなければならず一人ひとりと向き合うことが難しくなります。
小規模保育園ならば一人ひとりの個性に合わせた保育を叶えやすくなるでしょう。
保育士も児童の数が少ない分、施設全体に目を配らせやすくなります。
「クラスの子」「ほかのクラスの子」という隔たりも起きにくくなり、保育士同士の連携もしやすくなるでしょう。
児童の情報を共有しやすく、こまめな職員会議も不要になるかもしれません。
仕事が終わってからだらだらと続く会議は負担にもなりやすいものですが、その時間をなくすことで仕事へのモチベーションも変わっていくでしょう。
まとめ
小規模保育園とは、一般的な保育園と異なる定義で認可される定員が少なめに設定された保育園のことです。
小規模保育園の中にはA型、B型、C型という種類があり、それぞれに職員の配置人数や、保育士資格の有無にまつわる条件が異なります。
人数が限られるからこそ児童一人ひとりときちんと向き合い、それぞれのペースに合わせた保育を叶えられますので、転職を考えているとき参考にしてみてはいかがでしょうか。