2022.12.22
保育士の本音!「苦手な保護者」がいるときはどうしたらいい?対処法は?
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保育士がメインでかかわる相手はやはり子どもですが、だからといって「子どもとだけかかわっていればよい」というわけではありません。
子どもとともに、保護者とのかかわり方についても考えていく必要があります。
「どうしても苦手な保護者がいる……」という保育士さんに、ぜひ知ってもらいたい保護者とのかかわり方について解説していきます。
保育士のお悩みにもつながりがちな「保護者とのかかわり方」
保育士の仕事というと、やはり「子どもたちの相手をする」「子どもと遊んだり学んだりする時間を作るのが役目」とイメージしやすいのではないでしょうか。
そんな子どもたちとかかわるということは、同時に保護者ともかかわるということです。
保育士は、保護者対応も大切な仕事として避けては通れません。
登園や降園の一瞬のコミュニケーションから、腰を据えた面談まで保護者と顔を合わす機会は多いものです。
保護者と保育士といっても、やはり結局は人と人との関係性。
相性の問題が発生し、どうしても「あの人が苦手……」と感じてしまうこともあるでしょう。
ひどいケースでは「子どもといる時間は楽しいし大好きだけれど、保護者対応がストレスのもとになっている」ということもあるでしょう。
なぜ保護者は保育士に厳しい対応をするの?
保護者の中には、ちょっとしたことで保育士に対して感情をあらわにしたり、強い口調で責める人もいるかもしれません。
そのほかにも「怒るタイプではないけれど、施設の決まりを守ってくれない」「何度断っても無理難題を突きつけてくる」など……。
対応に困ってしまう保護者というのは、さまざまなタイプがいるものです。
日々、こうした保護者の対応をしていると保育士としても消耗してしまいますよね。
しかし、こうした対応の裏側には保護者の「焦り」や「不安」が隠れているかもしれません。
保育士さんは、プライベートの時間で悲しいことやトラブルがあっても子どもの前ではそれを出さないようにしている人も多いのではないでしょうか?
同じように、保護者もそれぞれに不安や悲しみを抱えているのかもしれません。
日頃、子どもが言うことを聞いてくれなかったり、困らせる行動ばかりとっていたら、どうしても余裕がなくなってしまいますよね。
ときには「私の子育ては間違っているのかも」「疲れた、なにもかも投げ出したい」と考えてしまうかもしれません。
そんなときに、大切な子どもが先生の言うことを素直に聞いていたり、思う存分甘えていたりしたら……。
本来ならば喜ばしいことのはずですが、余裕がなければ「それならどうして私の言うことは聞いてくれないの?」と、自分が責められているように感じられるかもしれません。
悲しさや寂しさ、嫉妬心から、保育士さんへの当たりがきつくなってしまうということも、悲しいことですが起こりうるものなのです。
「八つ当たりをされるのはたまったものじゃない!」と思ってしまうかもしれませんが、保護者の厳しい対応の裏にはそうした気持ちが隠れている可能性があります。
保護者からの信頼を得るにはどうすればいい?
不安や緊張、寂しさなどによって手厳しい対応をしてしまう保護者でも、本当は「もっと保育士さんとわかりあいたい」という気持ちを抱えているかもしれません。
というのも、子育てに関する不安の多くは、ひとりで抱えこみがちになってしまうもの。
信頼できる誰かに打ち明けたり、サポートしてもらったりすることで少しずつ解消されていくかもしれません。
保護者にとって「不安を分かち合える保育士」となれば、対応もおのずと変わっていくでしょう。
そのためにもまず、苦手な保護者の対応をするときには「相手を理解したい」という気持ちで接するようにしましょう。
どうしても、苦手意識を持っていると表情や言葉、言い方、反応などに出てしまいがちです。
それを受けて、相手も「自分は嫌われている」という印象を受ければ、ますます対応が悪くなるかもしれません。
少しでもよい印象へ導くためには、「苦手な人」という印象を捨てて向き合ってみることも大切です。
また、苦手な保護者が言っていることについて、つい「いや、それは違う!」と思ってしまうこともあるでしょう。
しかし、前述のように保護者も多かれ少なかれ不安を抱えているもの。
「私の教育は間違っているかもしれない」という意識がある中で「それは違う!」と言われてしまっては、ますます不安になるでしょう。
結果として、保育士に対抗したり、自分の考えを意固地になって押し通したりすることもあります。
保育士にとってはますます扱いづらい保護者となってしまうため、まずは相手を否定せずに向き合ってみましょう。
保護者対応をする上で保育士が意識すべきこととは?
保護者と信頼関係を築くためにも、やはり社会で基本とされているマナーには注意しましょう。
例えば、挨拶は肝心です。
苦手な保護者だからと言って、気が付かないふりをして挨拶をしないでいることはNGです。
うまくやれたつもりでも相手にはばれているものですし、「無視された」と感じればますます印象は悪くなります。
しっかりと目を見て挨拶をしたり、できれば他愛ない話を続けたりして、コミュニケーションを意識的にとりましょう。
特に、笑顔で挨拶をすることで相手の心も開いていくかもしれません。
はじめはいい対応がかえってこないかもしれませんが、こまめに保護者を気遣うことで相手もほぐれていくかもしれません。
「◯◯ちゃん、お友達が困っているときに声をかけていましたよ」
「家庭であった楽しかったことを教えてくれました」
「お弁当を美味しい美味しいと喜んで食べていましたよ」
というように、子どもにまつわる報告を通じてコミュニケーションをとっていくのもよいでしょう。
まとめ
保育士として活躍する上では、子どもだけでなく保護者の対応をすることも欠かせません。
中には相性の合わない人もいるかもしれませんが、笑顔での挨拶や、相手を気にかける行動を心がけたいものです。
保護者の対応の裏にある、不安や緊張へ意識を払うことが問題解決へつながるかもしれませんよ。