2022.8.8
主体性を育む教育って?保育施設で意識したいポイント
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近年、保育の現場においても「主体性」や「子ども一人ひとりの個性」を大切にする考えが広がってきています。
しかし、いざ「主体性を育もう」と考えても、具体的にどんなことを意識し、どんなことを行えばいいのかイメージしにくいですよね。
そこで、現役保育士さんにアンケートをとり、どのような保育を行っているか聞いてみました。
1:コーナー別に遊びを用意
現役保育士さんが実践しているという方法のひとつに、遊ぶ場所をコーナー別に作っているという声がありました。
遊びのコーナーは、おままごとコーナー、ブロックコーナーというように、子どもに人気のあるおもちゃを分けて用意します。
そうすることで、子どもたちが自分で好きな遊びやおもちゃを選択して遊べるようになるそうです。
「自分で選ぶと、片付けも意欲的になる」と話す保育士さんもいました。
自分で選択するからこその責任感を育むことにつながりそうですね。
2:先生からの指示は最小限に
保育の現場にいると、ついつい子どもたちをまとまるための指示をしたくなってしまうものです。
「皆でこれをしよう」、「これをしちゃだめだよ」など、毎日子どもたちにさまざまな指示を出している人も多いのではないでしょうか。
しかし、こうしたやりとりが日常茶飯事になっていくと、子どもは「先生に言われた通りに動かなければいけない」というところから「先生に言われた通りにすればよい」というようになってしまいかねません。
そうすると、子どもたちは自分で考える力を失ってしまいます。
そこで重要になってくるのが、先生が「指示をしない」という工夫です。
もちろんなんにも声をかけずに、どんなときも黙ってみている……ということではなく、必要な指示はきちんと行った上で、最小限にとどめる工夫をしましょう。
そうすることで、子ども同士が話す機会をたくさん作ることにつながります。
現役保育士さんによれば「大人は基本見守るスタンス」「必要なときにアドバイスをする」というのが大事なのだとか。
子どもの自主性を育むとともに、なにかひとつの結論を出さなければいけないタイミングでは子ども同士で話し合って妥協点を探る経験にもなるでしょう。
自然と協調性が磨かれていきそうですね。
3:乳児担当制をとりいれる
こちらは、保育施設によっても条件が異なるポイントにはなりますが、真似できるのであればぜひとも取り入れてみたい工夫です。
乳児担当制を取り入れることで、幼いうちから子どもの個性をじっくり知ることができます。
同時に、個々の成長を把握しやすいのも魅力なのだとか。
担当した子どもの性格や特性、興味関心について、深い部分まで理解しやすくなるでしょう。
4:主体性のある声かけを意識
主体性を磨くためには、何気ない声かけも非常に重要となります。
そのため、意識的に子どもたちになにか決定させるような声かけをしてみましょう。
例えば「〇〇と△△は時間と相談してやるかやらないか決めてごらん」というような声かけです。
さらに、ゲーム性を持たす促し方もよいのだとか。
こうした工夫が指示待ちではなく、自分で考える力を養うことにつながります。
5:名前を呼ぶ
主体性を育むためのポイントとして、全体でなく個人に目を向けるという方法があります。
そのために、意識的に子どもたちの名前を呼んでみましょう。
「〇〇くんおはよう」のように、一人ひとりの個性を大切にする視点をまずは挨拶から意識してみてください。
さらに「目線を合わせて、さらに挨拶にプラスして一言も伝えるようにしている」という保育士さんもいました。
「今日のお洋服、すてきだね」というように、ちょっとしたコミュニケーションが子どもの積極性に繋がっていくでしょう。
6:活動を子どもたちが決める
主体的な考え方を育てるために重要なのは、やはり「自分で決定する」という力です。
そこで子どもたちに意見を聞き、子どもたちの意見を反映させた保育を実現しているそうです。
中には「その日の大まかな活動は決めた上で細かいことは子どもたちに聞いて決めています」という保育士さんもいました。
「はじめは戸惑いがみられたものの発言しない子も話すようになってきた」という意見もありましたよ。
まとめ
主体性を重要視する上で重要なのは、子どもが自分で考え、選び、決める機会を多く設けることです。
今回ご紹介したポイントを意識しながら、子どもたちとまっすぐ向き合ってみてくださいね。