2024.7.21
しおり先生
460View
しおり先生
派遣保育士歴:7年目
大阪府大阪市 保育園勤務
#幼少期から保育一筋
#実は子どもとの関わりが苦手
#人見知りの心得
これまでと今の働き方を教えてください
保育科の高校・大学を卒業後、正職員の保育士として4年間働き、結婚を機に退職。
「仕事とプライベートのバランスを保ちたい」との思いからベルサンテの派遣保育士として働き始めて7年が経ちました。
現在、大阪市内の保育園に勤務中。主に1歳児クラスのサポートに入らせていただいています。
モノづくり大好きだった幼少期
幼少期は幼稚園に通っていたのですが、先生が作ってくれていた壁面や飾りものを見ながら「いつか私も製作物でお部屋を飾りたい!」と思っていた記憶が鮮明にあるんです。
子どもたちと遊ぶ!とか音楽が好き!とかよりも、私にとっては「製作したい!」が保育士を夢見るようになった最初の一歩でしたね。
手先が器用な祖母の影響か、小さい頃から色んなモノづくりをしていました。なかでも折り紙でつくる「くす玉」は当時周りに出来る子がいなかったこともあり、「しおりちゃん、すごいね!」と言ってもらえることがすごく嬉しくって。
そこから保育士の夢が揺らぐことはなく、保育一直線。
保育科のある高校、そして昔から憧れていた地元の大学へ進学。大変ながらも充実した学生生活を送り、卒業後は念願の保育士として働き始めることができました。
実は、「子どもと関わることが苦手」
昔からの夢を叶えることができたのはすっごく嬉しかったですし、親も「しおりは保育士が天職だね」と言ってくれます。
でも実は私、子どもとの関わりが苦手だったんです。
製作は好きだし、絵本も好きだし、人形劇で子どもたちを楽しませることも好き。
でも、子どもとの接し方がどうしていいか分からなくて。
実習で園に行ったり、勉強して頭では分かっているけど、実際に対峙すると難しくって。
一年目は、自分の不甲斐なさに落ち込んで、保育士を長く続けるのは無理かもしれないと悩むことも多かったんです。
でも、そんな不安や悩みが全部ボンって吹っ飛んでしまうような先生との出会いで、子どもと接することが「苦手」から「好き」にがらっと変わったんです。
保育人生で一番素敵な出会い
私のターニングポイントは、2年目からご一緒した20歳ほど年齢が離れたベテラン先生との出会いでした。「保育人生で一番素敵な出会い」と言っても過言ではないほど。
とにかく子どもが主体。子どもの良いところを引き出すこと、喜ばせたりすることがとっても上手で、私にとって理想の保育士像そのものでした。
例えば、園にある既に子どもたちが遊びつくしたおもちゃ。でもその先生の手にかかれば、まるで今日初めて使うおもちゃのようになるんです!
他にも、いつもの遊びを「今日はホールで遊びましょう!」って場所を変えてみることで
子どもたちのモチベーションがグッと上がったり。
日常のなかにちょっとした特別感をプラスする保育はとっても勉強になりました。
何より私が一番ワクワクしていたかもしれません(笑)。
きっと裏ではたくさん準備や努力をされていたはずなのにそんな様子は一切見せず、子どもを第一に考える素晴らしい先生でした。
自分にとって衝撃の働き方
ベルサンテさんとの出会いは知人の紹介がきっかけでした。
新卒から勤務した4年間はとても充実していた半面、ひとつのことにこだわる性格からプライベートと仕事の切り替えが上手くできない悩みを抱えていました。
仕事ではない時でも「次、こんな保育してみようかな」「これ製作に使えるかな」とかいつも保育と関連させてしまう自分がいて……。
これから新しい家庭を築いていくタイミングだったので、このまま保育にどっぷりではいられないと思っていたんです。
そんなとき知人が『派遣保育士』という働き方があるよ、と教えてくれたんです。
彼女もベルサンテさんで働く派遣保育士として活躍していました。たくさん相談に乗ってもらって、自分の悩みを解消できるかも!と思い登録しました。
私にとっては「こんな働き方があるんだ!」と衝撃的で。実際に働いてみて自分にピッタリ!派遣歴は今年で7年目、これまで5つの園で働かせていただきました。
オンオフの切り替えがしやすいことに加えて、派遣保育士として感じた魅力は「色んな現場を経験できること」。
直接雇用だとここまでフレキシブルに色んな保育を身をもって経験できません。幅広い視点で保育を学び、身につき、それを活かすといった良い循環が生まれるのを実感できています。
夫の事故をきっかけに得たもの
色んな園で経験できるのが派遣のメリットである一方、じつは私、人見知りなんです。だから派遣先の保育園が変わって異動するときは、ものすっごく緊張しています。
でもそれ以上に、「新しい素敵な出会いがあるかもしれない」とワクワクする自分もいます。
もともと新しい環境に飛び込むのが苦手だった私のマインドが変化したのは、夫の事故がひとつのきっかけで。
私の夫は今から4年前に仕事中の事故に遭い、今も意識が戻らないまま入院生活を続けています。
あの日以来、病院の先生や看護師さんなど、これまでの私の人生にはなかった新しい出会いがたくさんありました。そして、その出会いの数だけたくさん助けられもしました。
すごく悲しい出来事ではあったけれど、私たちの周りには、素敵な人たちがこんなにもいるんだ!と身をもって経験しました。
それが分かったから、新しい環境にも挑めます。緊張を笑顔で必死に隠してですけどね(笑)。
あとは派遣保育士だからチャレンジしやすいのかなと思います。ベルサンテさんが保育園としっかり話をしてくれているので今まで行った園すべてがウエルカム。そしてみんな優しい。そういう意味でも私にはすごく居心地のよい働き方です。
仕事で大切にしていることは?
人とのコミュニケーションを何より大切にしています。
人見知りなので話しかける時は人一倍勇気が要りますが、良い保育をするには先生同士の連携が何より大事。普段のちょっとした会話があるだけで、いざ仕事のときに聞きやすかったり、伝えやすさのハードルが下がりますよね。
この前職場の先生に「先生、今日髪型いつもと違いますね!」って声かけたら「そう?いつもと一緒だよ」と言われて失敗しちゃったんですけどね(笑)。
でもそれで全然いいと思ってるんです。そこから会話が繋がることもあるし、歩み寄るときは自分から。これからもこの意識は持ち続けていたいですね。
「やっぱり、保育っていいな」と思う瞬間は?
最初は緊張して泣いていた子が、私が手を広げると走って来てギュッとしてくれるようになると、保育士やっててよかったなって思いますね。「しおり先生―!」って名前を呼んでくれたときも「はぁ、うれしい……!」って。
正職員のときは大きな行事が終わると達成感ややりがいを感じていました。
今ももちろんその喜びもありますが、日常の些細な喜びにも気づけるようになりました。子どもたちの成長に感動させられっぱなしの毎日です。何年たってもどれだけキャリアを重ねてもその感動に「慣れ」はありません。保育士の特権ですね。
しほり先生にとってベルサンテはどんな存在ですか?
いざという時に頼りになる存在です。
私の場合、夫の予期せぬ事故があり自分のことで精一杯だった時も「園との調整は僕に任せてください」と、担当者の方がすぐにフォローしてくれました。総務部の方には保険の相談にも乗っていただき、本当にベルサンテさん全体でサポートしていただきました。
今担当してくれているmatsumuraさんも訪問する度、必ずクラスまで足を運んで挨拶してくれます。電話やメールで済ませることだってできると思うんですけど、その気遣いがとっても嬉しいです。
ベルサンテさんのInstagramやnote(ブログ)、この『VOICE』もいつも拝見しています。Instagramの投稿は現場でもすごく役立っていますし、周囲の先生たちもチェックしている人が多いですよ。
ただ派遣をするだけではなくて、保育士さんに寄り添った情報を発信しているところに「さすが保育専門の派遣会社さんだな」と。私も「ベルサンテさんから来ました!」って胸を張れます。
保育士って素敵!を知ってもらいたい
私、今後も体が動く限りずっと保育士を続けていきたいんです。
今、保育業界のネガティブなニュースを見かけたり、保育士不足が問題になっていたりしますよね。
でも約10年間、現場で私が見てきた保育士さんたちは、子どもを第一に考える素敵な先生たちばかり。どんな状況でも、みんな工夫しながら子どもたちと向き合い続ける姿をずっと見てきました。
だから「保育士さんって、こんなに素敵なんだ!」と知ってもらえる機会がもっともっと増えればいいなと願っています。
大切にしている言葉
「ぼちぼちいこう」
夫の口ぐせなんです。どちらかというとせっかちタイプの私に「頑張りすぎると視野が狭くなるよ。だから、ぼちぼちいこうや」と、いつも言ってくれていました。今も気持ちに余裕がなくなるたびに「ぼちぼちいこう」と、自分に言い聞かせています。
【編集後記 fromしおり先生担当の保育コンシェルジュより】
しおり先生 、毎日お仕事お疲れ様です。記事を読み改めてしおり先生の保育に対する想い、すごく感動いたしました。
今までの過程があり、今のしおり先生があるんだなと感じました。直接お会いした際も、お電話でお話する際も終始明るく、元気なしおり先生に私もすごく元気をいただいております。
ここだけの話…いつも本当に元気を貰えるので、しおり先生も頑張っているのだから、「私も頑張らないといけない!」と感じさせられるんですよね。ありがとうございます!
園長先生含め、クラスの先生、周りの先生のお力添え、ご協力があり今のしおり先生があると感じております。引き続きしおり先生らしく、明るく、元気に、お仕事してくださいね。明るいしおり先生だからこそどうぞご無理なさらずに!
最後にいつも夏の挨拶、冬の挨拶ありがとうございます。年賀状も一年に一度の楽しみになりました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
from 保育コンシェルジュmatsumura
・・・・・・
インタビュー・構成 ・文 : 野間直樹
文 : 堀池恵美
写真 : 黒田彩加