ありがとう
今ある日常は「有り難し」なんだという感性を、
ごく普通に持ち合わせている
感謝の気持ちを忘れず
今ある日々に感謝をして保育に取り組む素敵な先生たちがいます。
そんな園で日々を過ごす先生と子ども達の感性とは・・・
今回ご紹介するのは
滋賀県彦根市にある私立認可保育園
【 めぐみ保育園 】
昭和27年設立の歴史ある保育園
3世代で通う子どももいるほど、地域に密着した保育園
仏教保育を基本とした感謝の心を育てる保育をおこなっています。
訪問する度いつも「遠いところからありがとうございます~!」と
明るいお声をかけて下さる児玉園長
長く保育士として活躍されてこられた
生粋の保育者です。
今回インタビューをさせて頂く先生はどなたか伺うと
「みんなステキな先生なので、みんなおススメです!」と気さくに仰って頂き
2人の先生にお話を伺いました。
5歳児クラスを担当するこちらのお二人
◆じゅんこ先生(向かって左)
・保育士歴:8年目(新卒からめぐみ保育園勤務)
・後輩思いの優しく気さくな先生
・お休みの日はショッピング
◆あかり先生(向かって右)
・保育士歴:1年目
・保育士になることは、中学生からの夢
・笑顔のステキな少々照れ屋さん
●—さっそくですが、めぐみ保育園の保育方針についてお伺いできますか?
じゅんこ先生:
やはり仏教保育に根差した感謝する気持ちを育てることかなと思います。
特に宗教色を強めているわけでは全くないですが、
日常のなかで、手を合わせること、命や食べ物の大切さを感じてもらうことは
どこのクラスも大切にしています。
あかり先生:
その他では、子ども達の自主性を大切にしています。
何かするときに、子ども達に押し付けるようなことはしないです。
かといって自由にするわけではなく、人に迷惑をかけたときはしっかり注意します。
●—あかり先生は今年の4月からの勤務ですが、お仕事には慣れましたか?
あかり先生:
はい、4月当初に比べるとだいぶ慣れてきました。
まだまだですが、先輩からたくさん教わって日々勉強です。
特に叱り方、注意の仕方が勉強中です。しっかり伝えることができないので
子ども達が言うことを聞いてくれないこともあります。
優しいだけではダメだということを改めて感じています。
じゅんこ先生:
でもそれもだいぶ変わってきたよね。
ちょっと前に、子ども達に話していた時のあかり先生の声、結構怖かったで(笑)
それくらいメリハリがあっていいと思うよ。
あかり先生:
ありがとうございます。
じゅんこ先生をみて勉強させてもらっています。
じゅんこ先生は、なぜ叱ったのかを子ども達にもきっちり説明されているし
私が言っても子ども達は笑わないけど、じゅんこ先生が言うと爆笑ということもあります。
本当に子どもが楽しそうです。
●—じゅんこ先生、コツはあるんですか?
じゅんこ先生:
今はもういないですが、尊敬する先生がいたんです。
私もそれで悩んだ時に、その先生の真似をして保育していったことで
少しずつ感覚がつかめてきたような気がします。
コツというか、私が意識していることは
「何もかも大げさにすること」
私は普段テンションが高いタイプではないので、自分が思っている以上に
テンションあげてやることは意識しています。
ドッジボールもかけっこもいつも真剣です。
子ども達には負けたくないです。
そうやって真剣に子ども達と一緒になって楽しむ姿が
きっと子ども達にも通じていると信じて保育しています。
●—じゅんこ先生、後輩から尊敬されていますね。
じゅんこ先生:
あかり先生が、私をみて勉強になると言ってくれますが
あかり先生はすっごく頑張り屋さんです。
私が1年目の時は、ここまで頑張っていなかったです。。。
最近だと、発表会でする表現遊びの音楽を積極的に提案してくれたんです。
一年目なのでどんな発表会になるかも分からないので
難しい課題だったんですけど、自分なりの提案をしてきてくれたことに驚きました。
私やったら諦めているかもしれないです(笑)
あかり先生だけではなく、めぐみの先生はみんな一生懸命子ども達に向き合っています。
先輩後輩もコミュニケーションとりながら保育していますよ。
●—後輩が先輩を慕い、先輩も後輩をしっかり認める良い関係性ですね。
そんな先生方、仕事をしていてやりがいを感じる時はどんな時ですか?
じゅんこ先生:
この前、担当する5歳児の男の子が
「カミキリムシのお墓にどんぐりをお供えしてきたよ」
と唐突に言ってきました。
夏に園長先生が持ってきてくれたカミキリムシが
暑さのせいもありすぐに亡くなってしまったんです。
それから3ヶ月
その男の子は今でも、たった数日園にきたカミキリムシのことを大切に
思ってくれていたんです。
思いを形にして表現することの大切さ
命の大切さを、日々の保育のなかで自然に感じてくれていたのかなと
思うとすごく嬉しい気持ちになりました。
そういった思いやりのある子ども達の姿をみれる瞬間がやりがいです。
●—仕事をおこなう上で大切にしていることはありますか?
じゅんこ先生:
子ども達に何でも聞くようにしています。
友達同士でトラブルにあったときも、何か嬉しいことがあったときも。
代弁してあげる時も、「今のお話はこれで合ってたかな?」と確認します。
もし間違えていた場合は、「ごめんなさい」って謝ります。
自分だったら、勝手に解釈されて伝えられてしまったら、ちょっと嫌だなと思うから。
「子どもだから」「先生だから」ではない。
その感覚は大切にしていきたいです。
でも、忙しい時はその意識が薄れてしまう時もあるんですけどね。
まだまだです。。
あかり先生:
笑顔は大切にしようと思っています。
あとは、我慢すること。
●—我慢とは?
あかり先生:
例えば、子どもがお茶をこぼしたときに、さっと自分が拭いたらキレイになるし効率的だと思っていましたが
今は子どもがどう行動するのか待つようにしています。
子ども達が、自分で考えて学んでいけるように、見守ることの大切さを感じています。
それが、保育士としての大切な仕事だと思っています。
●—保育に一生懸命な先生方ですが、
プライベートはどんなことをして過ごしておられますか?
あかり先生:
私は加藤ミリヤのライブにいくことが大好きです!
大阪や京都でライブがあるときは見に行きます。
グッズがすごいおしゃれなので、めっちゃ買っちゃいます。
良い気分転換になっています。
●—お忙しいなかじっくりお話をお聞かせいただきありがとうございます。
最後に
有り難しが語源となるのは
「ありがとう」
先輩、後輩、子ども、大人
関係なく相手を思いやり、認める気持ちをもっているからこそ
「ありがとう・ごめんね」が素直にさらっと言える。
当たり前ではないといつも思っているから出る言葉
この気持ちを常にもった保育士さんが接する子ども達は
きっと素直な子に育つのだろうと感じます。
保育士の皆さん
「いつもありがとうございます」
ライター:野間直樹 保育コンシェルジュ