『ぷらっとホーム』がここにはある
日差しがまぶしい午前6時。
天王寺に向かう電車に乗り込み、車窓からみえる景色を眺めていると、
「次は、東貝塚~東貝塚~」いつもの景色といつもの車掌のアナウンス。
10年前から変わらない。
そう教えてくれたのは、保育士の坂口智子先生。
ここは、貝塚市にある認定こども園『パルティ道教寺』
改札を出て30秒。
私が知る限り、こんなに駅から近いこども園は記憶にない。
雨が降っても、傘要らずだ。
いつも駅まで15分歩いている私からすると実にうらやましい。
まもなく玄関を通り、広いエントランスで出迎えてくれたのが、事務長の津村進先生。
もともと小学校の先生をしていたようで、初めてお会いしたとは思えない、親近感と安心感を感じた。
津村先生は姉妹園のピアニィ道教寺の窓口もしているとのこと。今回津村先生への取材予定は無かったのだが、園の事を少し聞いてみると、凄い楽しそうにお話をされるので、知らず知らずの内に聞き入ってしまった。
※こちらがピアニィ道教寺
お話の中で印象に残ったのは、[食育]に関して。
食育に関しては、他のこども園でも実践されているところは多いが、取り入れ方がユニークだった。
「うちの園ではビュッフェ形式の給食も取り入れているんです」
ビュッフェ?!
「いいでしょ。実は園で野菜などを育てて、子どもたち自身が収穫をして、本格的なビュッフェ形式にしてみんなで食べてるんです。ただ、言っておきますが、毎日ではないですよ!
いつもは和食中心のメニューなので。」
ビュッフェにも惹かれますが、和食が給食で食べれるのは良いですね。
なかなか家で食べる機会も少なくなっているって聞きますし。
私なんて、和食が美味しいと思い始めたのが最近ですからね。
なかなか作ろうと思っても作れないですしね。
「実は、そんな保護者の声に応えて、給食のレシピをホームページで公開してるんです。」
後日、ホームページを拝見すると本当に載っていた。しかも動画で。
津村先生と話をしていると止まらなくなりそうなので、一旦ここで切り上げさせてもらい、今回取材に協力して頂く先生の下へ向かった。
今回取材にご協力頂いたのは、パルティ道教寺に入社して10年目になる坂口智子先生と17年目になる上村和美先生。
お二人に色々話を聞いてみた。
― 坂口先生は、和歌山県の貴志駅から通勤していると聞きましたが、なぜここの園を選んだんですか?
坂口「これはどこまで答えて良いのかわからないんですけど、電車に乗っていると見えたから?・・・いやっ他にも色々理由はあるんですけどね!」
― そんなに正直に答えて大丈夫ですか。
でも貴志駅ってタマ駅長のところですよね?通勤に片道1時間半ぐらいかかりますよね。
通勤が嫌で辞めようとかならなかったんですか?
坂口「いやっ、それは思ったことないですね。ここの園しか知らないんですけど私に合っていたんだと思います。通勤が長いことで色々考え事もできますし、寝ることもできますし。有意義に使ってますよ。反対に上村先生は凄い自宅から近いですよ。」
上村「いや~、近いですね。私は結婚して子どももいるので、近い方が助かります。といっても私もここの園しか知らないんですけどね。」
― お二人ともほんとうに長いですもんね。先生方が担当した卒園児がどんどん増えていきますね。
坂口「そうなんです。昨年も5歳児を担当していましたが、卒園児が入学した小学校から参観の案内が来て、見に行っていましたが、やっぱり何度行ってもどきどきしますね。
自分の見てきた園児がちゃんと小学校で頑張っているのか。でもその卒園児が名前を呼んでくれるだけで、色々大変なことはあったけど頑張って担当してきて良かったなと思える瞬間ですね」
― 年長さんを見てきたご褒美みたいなもんなんですかね。上村先生もそういう瞬間はありますか?
上村「私は地元が貝塚なので、だんじり祭りの時に卒園児やその保護者の方と会うときが楽しみですね。毎年毎年人数が増えて行くので、声を掛けられすぎて大変な面もありますが。」
― 私の奥さんも岸和田なので祭りの際はにぎやかで良いですよね。
あと、反対に、長年やってきてしんどいこととかはありますか?
休憩もなかなか別室でゆっくりとれないと思いますし、行事前の残業も大変とよく聞きますが。その辺りを言える範囲で教えて頂けますか?
坂口「あっそれは全然大丈夫だと思いますよ。もちろん行事前になるといつもより帰る時間は遅くなりますけど、それでも午後8時とかになるなんてまぁ無いですし。先生同士で早く帰るように声掛け合ってるので、帰れてますよ。」
上村「そうですね。それもあるので育休から戻ってきても働けてますし。あと休憩時間も別室で休憩取ってますよ。」
そのまま、話は休憩室での話しに華が咲き、恋ばなをしたり、子どもの面白話をしたりと和気あいあいとしている様子だった。
― 話が盛り上がり、当初の取材時間を越えてしまったので、次が最後の質問なんですが、これから新しく入ってくる先生で、どんな先生と一緒に働きたいですか?
「難しいことは求めません。挨拶や返事などあたりまえの事ができる先生。
優しい気持ちで子どもと接することができる先生。
こういった先生と一緒に働きたいですね。」
この言葉を聞いた瞬間、
[あたりまえの事ができ、ルールを守れる子どもを育てる]
[優しい気持ちが持て、協調性のある子どもを育てる]
というパルティ道教寺の保育理念が頭に浮かんだ。
園長先生はシャイな方だが、保育士さんに信頼され、現場が困っていれば現場の手伝いにも入る先生。
この園長先生の周りには今回取材した坂口先生や上村先生のように、子どもに教えるには、まずは自分たちがしっかりできていないといけない。という、あたりまえの事があたりまえにできるようにしようという気持ちをもった先生たちが集まるのかもしれない。
最後に
パルティ道教寺の名前の由来である、[パルティール=出発する]
ここは、これから始まる輝かしい、未来ある子どもたちの人生のスタート地点であり、ここで働く先生方をいつでも出迎えてくれる場所
ここがあなたの「ぷらっとホーム」
*ココから始まる
あなたの未来。
子どもの未来。*
ライター:上池 拓 ほいコレコンシェルジュ